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2024年8月4日大阪かに源グループ presents DEEP☆KICK ISHIKAWAレポート

■主催:DEEP☆KICK実行委員会
■名称:大阪かに源グループ presents DEEP☆KICK ISHIKAWA
■日時:2024年8月4日(日)
■会場:石川県産業展示館2号館
■住所:石川県金沢市袋畠町南193 石川県県民ふれあい公社

写真提供:石本文子、レポート提供:三野龍生

大阪を拠点に主となるナンバーシリーズに若手育成のZERO大会などを行っているDEEP☆KICK、昨年10月1日に徳島県で行われた初の地方興行「DEEP☆KICK TOKUSHIMA」大会が開催されると、4月28日には京都府亀岡市にて「DEEP☆KICK KAMEOKA」、そして8月4日(日)石川県・石川県産業展示館2号館にて3度目の開催となる地方興行『大阪かに源グループ presents DEEP☆KICK ISHIKAWA』が開催された。能登半島復興支援を目的に開催された今大会は出場者の半分以上が地元石川県を含めた北陸3県の選手、RISE・K-1・ONE・ラウェイ・BreakingDownと様々な舞台で活躍する選手たちが「大阪かに源グループ presents DEEP☆KICK ISHIKAWA」に集合、北陸の力を存分に見せつける機会となった。

メインイベント DEEP☆KICK-60kgタイトルマッチ 3分3R

×大樹(HAWK GYM)
〇GUMP(TEAM TEPPEN)
2R KO(三日月蹴り)
※GUMPが-60kg第9代王者となる。

インイベントを飾るはDEEP☆KICK-60kg第8代王者として2度の防衛を経て今回、ようやくの地元開催を実現させた大樹(HAWK GYM)のDEEP☆KICK-60kgタイトルマッチ。石川県金沢市出身、DEEP☆KICKでは3月にKING龍蔵(ROYAL KINGS)との王座同士の対決にて煮え湯を飲まされるも同級では負けなし、地元開催ともあって気合は十二分だ。挑戦するは4月より始まった挑戦者決定トーナメントを圧倒的な技術で勝ち上がってきたGUMP(TEAM TEPPEN)、ジム移籍後破竹の勢いで連勝を重ねている21歳だ。両者共に高い技術を武器に戦う選手なだけに3R通してのポイントの奪い合いが予想されていたが試合は2RTKO決着で幕をおろすこととなる。
1R、GUMPはリング中央に陣取り左右のローを素早くヒットさせていく。大樹は横に周りながらローにハイで入りどころを探るもGUMPのガード・スウェーしてから返しのローに中々思うような展開が作れないか、やや強引にパンチの連打で踏み込みにかかるもGUMPの堅いガードにこれといった1発が出ない。GUMPは中間距離でロー・ハイを放ちながら入ってきたところに細かいパンチを放っていくなど、じわじわ圧をかけながら相手を観察しているイメージ。ラウンド後半、踏み込んでからの右フックと膝を中心に攻める大樹、GUMPはしっかりガードしながらこちらも膝にパンチと返していく、1Rは着実にヒットを重ねたGUMPがやや有利な印象。
続く2R、1Rに比べ近い距離での展開が続く。中で大樹はフックやストレートで攻め入るもGUMPはしっかりガード、入り際に膝にストレートと返す。GUMPのガードは堅い、大樹も手は休めないが攻めあぐねている印象を受ける。すると大樹の踏み込みに合わせたGUMPの膝がクリーンヒット、その後組みからの膝をさらに当てるとセコンドから「腹効いたぞ!」と声が上がる。呼応するGUMPはじりじり圧をかけていくとロープ際に詰めてからの三日月蹴りが大樹のボディに深々と突き刺さりダウン奪取。苦悶の表情を浮かべる大樹、なんとか立とうとするも10カウント内に立ち上がることは叶わず、2R1分25秒、KO勝利でアウェーの地に乗り込んできたGUMPがベルト奪取を達成し、大樹は地元石川県での防衛を成すことは出来なかった。
大喜びでセコンド達と抱き合うGUMP、ベルトを腰に巻かれマイクを持つと「ノーダメージ!!」と決め台詞を声高らかに放ち、リング上で妹でありDEEP☆KICKラウンドガールを務める「こゆき」やTEAM TEPPENメンバー、応援団と記念撮影を行った。
試合後、GUMPは「石川県に来るのは初めてでしたが、会場のお客様の雰囲気も良くて、高いモチベーションで試合することが出来ました、やはり王者というのはすごく強い存在と思っていて、大樹選手はRISEスーパーフェザー級3位の実力者なので警戒してましたが、TEAM TEPPENでやってきたことを信じて戦いました」と打ち明けると、三日月蹴りでKO勝利したことについて「ホンマに今までやってきた出たという感じで、「やってきた事は間違いじゃなかった!俺だって倒せるんや!」って感情が爆発しました」とDEEP☆KICKでは初のKO勝利に心を躍らせていた。次の舞台について「王者にはなりましたが今までとやることは変わらずに、でも王者としてのプライドと誇りは持ってもっと強い姿を見せます。僕の最終目標は世界一、そのために目の前の戦いを一つ一つクリアしていきます、RISE上位ランカーの大樹選手にも勝ったのでRISEにもDEEP☆KICK代表として殴り込みに行きたいと思います」と語った。
誰よりもキックボクシングを愛し練習を続け、そしてまだまだ実力をつけているGUMP。自身の掲げる「世界一強いキックボクサー」という目標を叶えるべく、次はDEEP☆KICK王者として挑戦を続けていくGUMPの更なる活躍に期待してほしい。

ダブルセミファイナル 日韓対抗戦2 DEEP☆KICK-65kg契約 3分3R

△昇也(士魂村上塾)
△ナム・ミョンチョン(韓国/TJジム)
判定0-0(29-29、29-29、29-29)

K-1を主戦場に戦う石川県ファイターの昇也(士魂村上塾)がDEEP☆KICKに初出場、日韓対抗戦としてナム・ミョンチョン(韓国/TJジム)と対戦。昇也は第4代Bigbangスーパーライト級王者・第11代MA日本キックボクシング連盟スーパーライト級王者と2つのベルト戴冠歴があり”竜魂伝承”の異名の元、高いタフネスと威力抜群のパンチ・蹴りで攻勢に出る実力者。対するナムはプロ戦績7戦5勝2敗を誇り常にフルスイングで前に出るファイター。
試合は1R、昇也はサウスポーに構えコツコツとローを合わせながら圧をかけていくと、右フックにストレートと重いパンチを放っていく。ナムもやや下がりながらも打ち合いに応戦、アッパーにストレート・膝とこちらも威力あるパンチ・蹴りを繰り出していく。昇也はどんどんとプレッシャーをかけながら右フック・ストレートに加え左ハイに膝・バックハンドブロー・飛び膝蹴りと多種に繰り出していく、ナムも前評判通り威力のある左右のフックにボディ・ストレートと返していくが互いにクリーンヒットは少ないか。ラウンド通じてナムが昇也に下がらされる場面は続くも1Rは互角の印象。
2R、パンチに加えハイに膝を混ぜていくナム、昇也は1Rに続きローを放ちながら前進し近い距離で上下にパンチを打ち分ける。ナムは距離を取りたいが都度昇也に詰められ、やりずらそうな表情を見せるも膝蹴りに活路を見出し昇也の入り際を抑え膝、そして離れるといった展開が続く。昇也もラウンド後半にはギアを上げていくも印象を覆すに至らない、2R終了時点での途中経過は1名が19-19、2名が19-20でナムを支持する。
3R、後がない昇也はさらに圧を強めていき近い距離で得意のパンチを振るっていく。ナムは前蹴りを放ちながら近い距離では膝と繰り出していくが1Rから受けているローに加えスタミナ切れも伺える。どんどんと圧を強めてくる昇也にナムは度々クリンチをしてしまいレフェリーより警告(1Rに口頭注意あり)が与えられる。残り1分、昇也は逆転の一撃を狙いパンチにローとどんどん繰り出していくがナムはフラフラになりながらも決して倒れない。ギリギリまで昇也は逆転勝利を狙っていったが試合終了。3Rには昇也が攻勢を見せるも結果は3者共に29-29でドロー、日韓対抗戦2は引き分けで幕を閉じた。

ダブルセミファイナル 日韓対抗戦1 DEEP☆KICK-65kg契約 3分3R

〇田中佑樹(HAWK GYM)
×ムン・スンヒョン(韓国/順天アムナットジム)
判定3-0(30-28、30-27、30-28)

ダブルセミファイナルでは日韓対抗戦2試合が組まれた。ダブルセミ1として登場したのは石川県河北郡出身でありRISEランカーの田中佑樹(HAWK GYM)、3月には「ABEMA presents RISE ELDORADO 2024」にて齋藤紘也(WSRフェアテックス三ノ輪)とのRISEvsK-1対抗戦に出場するも自身初のKO負けを喫し今回が復帰戦となる。対するはムン・スンヒョン(韓国/順天アムナットジム)、プロ戦績は12戦8勝4敗を誇り冷静に相手を支配する頭脳派ファイターだ。
1R、地元開催ともあって気合十分の田中は早い踏み込みからのストレートにフックでどんどんと攻勢に向かう。途中、ムンがローブローを被弾し一時試合がストップされる。再開後、ムンは左ミドルにボディ・バックハンドブローと放っていくが田中の左フックにストレートなど早いパンチが度々ヒット。今にもダウン奪取となりそうなほど田中が攻勢を見せるがムンも韓国人ならではの打たれ強さを見せ1Rはそのまま終了。
続く2R、細かくインローを放ちながらボディにストレート・フックと1Rに続きヒットを重ねていく田中。ムンはガードを固めながらミドルにハイ・ストレートと手数を増やしていくが押されてる印象は否めない。2R終了時点でのオープンジャッジでは2名が20-18、1名が20-19で3者共に田中を支持する。
最終ラウンド、ムンは早々からワンツー連打にミドル・ハイ、二段蹴りなど更に手数を増やしていく。田中はじっくりガードを固めながら圧をかけていき鋭いストレートにフックと放つ。田中はやはりKO勝利狙いだろう、手数を増やしてきたムンの攻撃を冷静に対処しながら要所で威力ある一撃をヒットさせていく。ラウンド後半にはミドル連打でムンは最後のラッシュをかけるが倒しきるには至らず、田中もワンツーなどでKO勝利を狙うも倒しきることは出来ずに試合終了。判定は3-0で田中が判定勝利を収めたが地元でKO勝利することが出来ず少し悔しい表情を浮かべた。
試合後、マイクを握った田中は関係者・対戦相手のムンに感謝を述べると「KO勝利したかったんですが、せっかくの地元なので、僕の事を長く見たかったと思うので、3R戦ったという事にしておいてください(笑)僕がキックボクシングを続けれてるのは周りの方々や家族のおかげ、いつもは東京で試合なのでこれなかったけど今日は家族が見に来てくれたのでお礼が言いたいです」と言い、リング上からご両親に向けて「つらい時もいつもサポートしてくれて、そして今月お母さんの誕生日ということもあって絶対に勝ちたかったので勝ててよかったです、本当にいつもありがとうございます」とご両親に感謝を述べた。するとその後「ゆくゆく対戦したい相手がいて、ケルベロス選手、どうですか、見たくないですか!」と同じRISEランカーでありDEEP☆KICK-65kg第3代王者である木村“ケルベロス”颯太(NJKF心将塾)との対戦願望を明かした。果たして次はRISEの地でケルベロスとの対戦に漕ぎつけることは出来るのか、石川県の雄・田中佑樹の次戦にも期待してほしい。

スペシャルエキシビジョンマッチ 2分2R

-政所仁(魁塾)
-松本天志(TARGET SHIBUYA)
※エキシビションマッチにより勝敗無し。

第5試合終了後、スペシャルエキシビジョンマッチとして対峙したのはRISEスーパーフライ級1位の政所仁(魁塾)とRISEフライ級2位であり石川県出身である松本天志(TARGET SHIBUYA)。政所はRISE NEW WARRIORS スーパーフライ級トーナメント優勝、松本はRISE NEW WARRIORS フライ級トーナメント優勝と各階級におけるトーナメントを制覇した強者同士であり、松本は昨年10月、政所は6月にタイトルマッチに挑み悔し涙を飲んでしまうも、次代の王者として期待されているRISE軽量級を代表する選手同士の豪華エキシビジョンマッチが開催された。
試合は1Rからハイスピードな展開。松本が速いパンチの連打からローにバックハンドブローと繰り出すと政所は1つ1つの攻撃に丁寧に対処しながらフックにミドル・ストレートと返していく。ただその1つ1つのスピードが恐ろしく早い、観客たちもエキシビジョンマッチとは理解しながらも固唾を飲んで試合にくぎ付けとなっていた。ラウンド後半には松本の二段蹴りでガード上から政所が倒されると、今度はお返し?と言わんばかりに政所はドロップキックをお見舞い。会場はさっきの緊張感とは打って変わって笑い声で溢れた。ちなみにその後、松本もセコンドからの「やり返せ」との声にドロップキックを狙い放つも「下手くそ」と言われてしまう内容で終わった。
2R、もはや説明不要と言える程ハイスピードな応戦が続いていく。松本陣営のセコンドが「仁、倒しに行けよ」と発すると、こんどは政所陣営から「天志行け、倒しに行け」と発されるなど会場の雰囲気は柔らかい、互いに笑顔が見えるもそのレベルは格闘技界最高峰といっても過言ない2人、随所のテクニックにそれぞれが下を巻いた。そして残り時間10秒のコールが鳴ると2人は一斉にノーガードでの打ち合いを披露、そしてゴングが鳴らされるまで打ち合った両者はゴング後笑顔で抱き合った。
試合後、政所がマイクを持つと「DEEP☆KICK石川県大会ということで、久しぶりにDEEP☆KICKのリングに上がれました。本当はRISEのベルトを持ってここに上がる予定でしたが、獲れなかったので、次上がらせてもらう時はベルトを持ってくるので、応援よろしくお願いします」と語った。
続いて松本がマイクを持つと「地元の開催に呼んでくださった関係者の皆様ありがとうございます」と感謝を述べると「仁君のことはプロデビューする前から知ってて、仁君に憧れて僕のプロデビューの時の入場曲は仁君と同じ曲を使ってました。本当に、そのような選手とエキシビジョンマッチが出来て光栄です。8月31日にRISEで試合(RISE181)が決まっているので、そちらも応援お願いします。最後にこの後も石川県の強い選手たちが出てきますので応援お願いします!」と締めた。
互いに再びのRISEベルト挑戦を狙っている両者、この先DEEP☆KICKのリングで次はベルトを持って彼らが会場のファンたちに話す姿を楽しみに待ちたい。

第5試合 DEEP☆KICK-65kg契約 3分3R

×石田迅(LEGEND GYM)
〇吉瀧光(KING LEO)
3R TKO(レフェリーストップ)

昨年6月にDEEP☆KICK-65kg第4代王者に輝くも4月の初防衛戦では和田哲平(FASCINATE FIGHT TEAM)に敗北してしまいベルトを奪われてしまった石田迅(LEGEND GYM)が再び王座返り咲きを狙いリングに上がる。対するは吉瀧光(KING LEO)、富山県出身でMMAやラウェイなどで打ち合い上等で勝利を掴んできた実力者、DEEP☆KICKには約5年ぶりの出場となる。
両者共に打ち合いを好む選手なだけに早々の決着も予想されたが、その予想通り、試合は1Rで勝負がつく。1R、ゴングと共に走り出していき飛び膝蹴りを放つ吉瀧、ガードした石田はすぐさまに得意のパンチでお返しの左フック。互いに闘争本能丸出しといったところ、近い距離で石田はストレート・フックとパンチを主体に、吉瀧はサウスポーからパンチの中に奥足へのロー・ミドル・膝といった蹴りを混ぜていくなどラウンド序盤から互いにヒットは多い。その後、互いに打ち疲れからかやや失速するも石田はフェイントを混ぜながら威力抜群のパンチを振るっていく、吉瀧はガードを固めながらパンチに膝を返すといった所だ。そしてラウンド終盤、石田がローブローを被弾し一時試合が止まったあとだった。再開後激しくリング中央で殴り合う両者、中で石田の左フックが吉瀧を捉える、笑みを浮かべながら更に圧をかけていく石田に吉瀧のカウンターの右フックが石田にクリーンヒット。そのままバタンとリングに倒れる石田、何とか立とうとコーナーまで這い進みロープを掴むもダメージの深刻さを確認したレフェリーが試合をストップ、1R3分ちょうど、吉瀧がDEEP☆KICK元王者相手に一撃KO勝利を掴んだ。
試合後、マイクを握った吉瀧は「前王者の石田選手をKOで倒したという事で、タイトルマッチどうですか!僕もベルトが欲しいです」とタイトルマッチを直訴。現在、同級1位は石田のため、その石田を倒した吉瀧は確かにランキング上位は確定だ。石川県出身王者である大樹に続き、富山県に拠点を置く吉瀧が北陸3県2人目の王者となるか、今後の動向にも期待だ。

第4試合 DEEP☆KICK-72kg契約 3分3R

×詠隆章(LA GYM JAPAN)
〇本野有哉(照道会)
判定0-3(28-30、28-30、28-30)

現在37歳も過去には地元石川県のイベント「SAMURAIあばれ祭」において第3代SAMURAIあばれ祭ミドル級王者の王者戴冠歴のある詠隆章(LA GYM JAPAN)がDEEP☆KICK ISHIKAWAにて5年ぶりのプロの試合に出場、今回がプロ2戦目であり勢いのある本野有哉(照道会)と対戦した。
試合は1R、詠は構えをスイッチしながら重心を後ろに置き、伸びるジャブにローでけん制していく。本野はじわじわと圧をかけローに左フックでプレッシャーをかけていく。互いに随所でボディやハイなど放つも大きな展開はなく、静かに見合う時間が続く。2R、本野は手数を増やし左ミドルやローから踏み込み近距離のパンチに繋いでいく。詠はローにジャブから左右のフックにストレートと狙っていくがヒットはしきらない。ラウンド後半にかけて手数を増やしていく詠だったが、圧を強めてくる本野のガードを破れず少しずつヒットをもらうようになっていく、2R終了時点でのオープンスコアは3者共に19-20で本野を支持する。
3R、プレッシャーを強め前に押し出る詠だが、まだまだスタミナには余裕のありそうな本野はジャブにローを放ちながら距離を保つ。1Rから放っているローも効果的だ、ジャブと共にヒットを重ねながら詠の蹴り・パンチをガードを固め防いでいく。ラウンド後半、逆転を狙う詠だがスタミナ切れもあってかやや手数が減る、本野はパンチ連打からの左ハイなど各所でヒットを重ねていき試合終了。結果、2R3Rの本野の優勢が支持され0-3で本野が判定勝利を飾った。これでプロ2戦2勝と着実にプロの階段を上っている本野、次なる戦いにも期待したい。

第3試合 DEEP☆KICK-53kg契約 3分3R

×タッキー(和術慧舟會SPO富山支部)
〇瀧(魁塾)
判定0-3(26-30、27-30、26-30)

現在2連勝中の波に乗っている瀧(魁塾)は1Rから長い手足を活かし攻勢をしかける。じりじりジャブを出しながら距離を詰めていくとローに左フック・膝で圧をかけていく。富山出身となるタッキー(和術慧舟會SPO富山支部)はステップを踏みながらリングを周ると左右のフックにボディ・アッパーなどを放っていくが瀧にガードされる。何よりリーチの長さにも苦戦か、瀧のジャブ・ローにことごとくヒットを許してしまう。2Rもリング中央に陣取る瀧は構えをスイッチしながら圧をかけローに膝と繰り出す。タッキーは回転の速いパンチで素早く踏み込むがこれといった一撃が出ないか。ラウンド中盤にはサウスポーにスイッチしてからの瀧のハイキックがタッキーにクリーンヒットし瀧がファーストダウン奪取。すぐに立ったタッキー、ダメージは少ないもダウンポイントは響き、2R終了時点でのオープンスコアは3名とも17-20で瀧を支援。
3R、後がないタッキーは逆転を狙いパンチ連打で踏み込みたいが瀧の前蹴りやジャブで距離を保たれ中々懐に入り切れない。瀧はガードを固めながらストレートに左ハイキック、右フック・バックハンドブローなどで1・2R同様に再び圧をかけていく、タッキーはなんとか状況を打破したかったが瀧の攻勢を覆すことは叶わず、結果0-3で瀧が判定勝利を収めた。
プロデビューから連敗と苦しい時期が続いたが、昨年9月の初勝利からこれで3連勝となった瀧。実力も十二分、勢いそのままにDEEP☆KICK-53kgランキングを荒らす存在になるかもしれない。

第2試合 DEEP☆KICK-55kg契約 2分3R

×神谷優良(神谷塾)
〇RINA(TEAM TEPPEN)
判定1-2(29-30、29-28、29-30)

今大会唯一の女子対決、富山県出身の空手少女・神谷優良(神谷塾)と6月に初勝利を飾ったRINA(TEAM TEPPEN)が激突。試合は1R、軽いステップからインローにボディ・フックと打ち分けるRINAに対し、神谷は鋭いジャブに前蹴り・ハイキックで距離を詰めていく。RINAは回転の速いパンチが好印象だ、近い距離に踏み込むとどんどんとパンチを連打していく。神谷はミドルや前蹴りなど空手仕込みの蹴りでこちらも好印象をとる。2R、構えをスイッチしながらパンチ連打にミドル・ローで距離を詰めてくる神谷にRINAは退かずに近距離で打ち合う、互いに近距離での打ち合いは続き、2R終了時点でのオープンスコアは2名が20-20、19-19でイーブン、1名が19-20でRINAを支持する。
3R、このラウンドが勝負の分かれ道となる両者、神谷は顔面前蹴りやロー・膝で早くも圧をかけていくと、RINAはガードを固めながらロー連打に左右のフックを返していく。互いに止まらない気迫のぶつかり合いはゴング終了まで続き、甲乙つけがたい試合となったが結果1-2で判定は割れるもRINAが判定勝利を収め、嬉しい2連勝を勝ち取った。

第1試合 DEEP☆KICK-63kg契約 3分3R

×ATSUKI(HAWK GYM)
〇小清水涼太(KING LEO)
3R TKO(レフェリーストップ)

記念すべきDEEP☆KICK石川大会の第1戦目を飾るのは石川県vs富山県の北陸対決と正にうってつけのカードに。石川県在住、BreakingDownで「ダンチメンあつき」として人気を博し今回がプロデビュー戦となるATSUKI(HAWK GYM)と富山県在住、ラウェイ・NKB・BOM・ONEなど様々な舞台で活躍している小清水涼太(KING LEO)が対戦。プロとしての試合経験は小清水が格上も、話題沸騰中のBreakingDownで活躍するATSUKIの勢いにも注目したいところ。
試合は1R、サウスポーに構える小清水は前蹴りにロー、三日月蹴りなど中間距離の蹴りで、構えを小まめにスイッチするATSUKIは細かくステップを踏みながらローで互いにじっくりけん制し合う。静かながらも重い空気の中、小清水は威力あるフックツーにボディ・右フックで会場を沸かせばATSUKIはミドルに左右のフック・ローの連打で好印象を取り返す、1Rは互角の印象か。続く2Rも中間距離でじっくり見合う中、ATSUKIはローにハイと近い距離でのパンチ連打、小清水はじわじわ詰めていってのボディ・フックに三日月蹴りで主導権を取りに行くが互いに一歩も譲らない展開に。2R終了時点でのオープンスコアは2名が20-20、19-19でイーブン、1名が20-19でATSUKIを支持する。
3R、ここが勝負所だと踏む両者は開始早々近距離で殴り合う。途中、ATSUKIがバッティングにて試合が止まるも再開後、互いに左右のフックにストレートをぶん回しあう気迫の打ち合いに。そして突如として決着の時が訪れる、打ち合いの最中、小清水のカウンターの右フックがATSUKIを捉え小清水がダウン奪取。吠える小清水、ATSUKIもなんとか立とうとするがダメージを確認したレフェリーが試合を止め3R1分23秒、小清水がTKO勝利を勝ち取った。
試合後マイクを握った小清水は「今回の試合はBreakingDownで活躍しているATSUKI選手だったので、僕もプロとして絶対負けたくないって気持ちで戦いました。これからもKO狙ってどんどん上を目指していくので応援お願いします」と会場のファン達に語った。負けはしたもののATSUKIの奮闘もすさまじく、今大会ベストバウトと言える今試合は「DEEP☆KICK ISHIKAWA」第1試合として大会に確かな火をつけた。

NEXT☆LEVEL提供試合

オープニングファイトでは5試合が開催され、中でもOP第5試合、オープニングファイトのメインイベントを務めた中谷貴巳(HAWK GYM) vs 萩原正規(TARGET SHIBUYA)の1戦、地元応援団の声援を背に中谷は1Rからストレートを軸に猛攻を仕掛ける。萩原はサウスポーに構え変則的なタイミングでのストレートに二段蹴りと放ち確かな実力を見せるも、中谷の攻勢に下がらされる印象が目立つ。中谷は2Rもストレートにフックでどんどん距離を詰めていき、結果3-0で中谷が勝利を飾った。試合後、中谷はマイクを持つと「私は51歳ですけども、こうやってプロのリングに立たせてもらって、腹を据えてやる気があればいつでも挑戦できます、今回の試合もプレッシャーだらけでしたが勝ててよかったです」と覚悟を乗り越えた安堵の声を漏らすと、今回初めてお母さんが見に来てくれたことを明かし、感謝を述べるとリング上では家族で笑顔の勝利写真撮影を行った。
他の試合でも赤コーナーには北陸3県の選手たちが4試合中3名出場するとその3名全てが勝利を収め、北陸のアマチュアファイター達の力を存分に見せつけた。

オープニングファイト第5試合 -63kg契約 1分30秒2R

〇中谷貴巳(HAWK GYM)
×萩原正規(TARGET SHIBUYA)
判定3-0(20-19、20-19、20-19)

オープニングファイト第4試合 -53kg契約 1分30秒2R

〇岡本翔悟(風吹ジム)
×開夢斗(魁塾 中川道場)
判定3-0(20-19、20-19、20-19)

オープニングファイト第3試合 -50kg契約 1分30秒2R

〇竹田はる(HAWK GYM)
×山脇仁汰(PSKムエタイ大阪)
1R TKO(レフェリーストップ)

オープニングファイト第2試合 -45kg契約 1分30秒2R

〇中村可夢偉(HAWK GYM)
×末吉琉(LoTgym)
判定3-0(20-18、20-18、20-18)

オープニングファイト第1試合 -30kg契約 1分30秒2R

〇竹腰瑛留(KING LEO)
×三谷那瑠(NJKF健心塾 平野支部)
判定3-0(20-18 、20-19 、20-18)

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