2023年4月30日DEEP☆KICK ZERO 06レポート

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■主催:DEEP☆KICK実行委員会
■名称:DEEP☆KICK ZERO 06
■日時:2023年4月30日(日)
■会場:176box
■住所:大阪府豊中市庄内東町5丁目7-25

記事・写真提供:DEEP☆KICK実行委員会

4月30日(日)豊中市・176BOXにて『DEEP☆KICK ZERO 06』が行われた。大会途中には塚本望夢vs 長谷川海翔のエキシビジョンで大いに盛り上げを見せると、本選では6試合中4試合がKO決着という若手選手らしい勢いのぶつかり合いが見てとれた。正に若手選手育成の場と名を打つZERO大会らしい興行であった。

メインイベント DEEP☆KICK-65kg王座決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R

〇田邉雅弥(Blaze)
×悠YAMATO(NJKF大和ジム)
2R TKO(レフェリーストップ)
※田邉雅弥が-65kg王座決定トーナメント決勝に進出する。

メインイベントを飾るはDEEP☆KICK-65kg前王者の木村ケルベロス颯太(NJKF心将塾)が返上したベルトを懸けた-65kg王座決定トーナメント準決勝、DEEP☆KICKランカーの田邉雅弥(Blaze)とNJKFランカーの悠YAMATO(NJKF大和ジム)が激突した。階級が重いだけに1Rから激しい打ち合いになることも予想されたが蓋を開けてみると静かに、そして重い緊張感のある走り出しとなった。1R序盤、田邉がジャブ・ローで探りを入れていく中YAMATOは田邉の前蹴りをキャッチしてからの仕掛けを試みるもレフェリーに注意を受ける。ルールの違いにも戸惑いつつも左フックからのコンビネーションを狙っていくが中々捉えきれない。中間距離でのローの打ち合いが続く中、田邉はジャブやカウンターのストレートを当てていく、YAMATOも負けじと重いパンチにカーフを織り交ぜていくもクリーンヒットは奪えない、互いに探り合いといった所だったが要所でヒットを奪った田邉が1Rは優勢の印象。
続く2R、1Rとは打って変わりYAMATOはジャブで距離を測りながらストレート・フック・膝とどんどんプレッシャーをかけていく。田邉はガードしながらもローを打ち返すが、YAMATOはお構いなしに三日月蹴りにローを散らしながら重いパンチと膝で攻勢を見せていく。そんな最中、決着は一瞬で訪れた。レフェリーブレイクの後、飛び込んできたYAMATOに田邉の右ストレートがクリーンヒット、ダメージが見えるYAMATOは後ろにたたらを踏むと田邉は一気にストレートで距離を詰めていき最後は顔面膝蹴りで強烈なダウン奪取、YAMATOはそのまま大の字に倒れこみ即座にレフェリーが試合をストップ。2R2分28秒、過去の勝利は全て膝蹴りでのKOだった田邉が得てして今回も”神の膝”で強烈TKO勝利を勝ち取った。
試合後のマイクで田邉は「これは僕のためのトーナメントなので、必ずベルト獲って次のステップに行く。まだまだ強くなります」と強気なコメントを披露、これで4戦3勝1敗3KOと勝ちは全て膝でのKO勝利を収めている田邉。来る6月の決勝でも田邉の”神の膝”がさく裂するのか、注目してほしい。

セミファイナル DEEP☆KICK-57.5kg契約 3分3R

×岩KING(NJKF心将塾)
〇牧野騎士(FFT)
1R TKO(レフェリーストップ)

DEEP☆KICK-57.5kg契約となる1戦、まだ互いにランキング入りはしていないが過去にDEEP☆KICKの地で勝利を収めており、この1勝でランキング入りが見えてくる同士の対決。スカーフを口に巻き、首を左右に動かしながら重厚な雰囲気で入場してきた牧野騎士(FFT)に対して定番のアフロ姿にサングラスで踊りながら入場してくるは岩KING(NJKF心将塾)。入場から全く異なる雰囲気を醸し出す2名による戦いとなった。
1R、鋭いローを軸に左ミドル・ジャブを繰り出す岩KINGに対し牧野はジリジリと前に圧をかけながら威力あるパンチを放っていく。蹴りの距離では岩KINGが蹴りを着々とヒットさせるも近い距離になると牧野のフック・アッパーがヒットしていく。要所で入る牧野の三日月蹴りやボディも有効か。1Rも2分30秒に差し掛かったころ、勝負は急激に動いた。牧野の右ストレートが岩KINGにクリーンヒット、明らかにダメージが見える岩KINGに牧野はここぞとばかりに左右のフックでラッシュを懸けダウンを奪取。なんとか立った岩KING、残り時間も数秒とこのラウンドを凌ぎたかった所だったが牧野は勝負所を逃さなかった、一気に距離を詰めていき右フックで終了のゴングと同時に再びダウンを奪取。レフェリーが試合を止め1R3分丁度、牧野が2度のダウン奪取と共に勝利を奪い取った。
これにはセコンドについていた牧野の師であるFFT(FASCINATE FIGHT TEAM)代表・原口健飛も手を叩いて大喜び。DEEP☆KICKランキング入りも見えてきた牧野、強力なパンチを武器に-57.5kg前線を暴れまわることが出来るのか。

第5試合 スペシャルエキシビジョンマッチ 2分2R

-塚本望夢(NJKFteamBonds)
-長谷川海翔(誠剛館)
※エキシビジョンのため判定無し

昨年3月にDEEP☆KICK-51kg初代王者となった塚本望夢(NJKFteamBonds)と去年6月にDEEP☆KICK-53kg第4代王者となり6月には初防衛戦も決まっている長谷川海翔(誠剛館)によるスペシャルエキシビジョンマッチが開催。現在17歳と若くもキャリアも実力も十二分の両者によるエキシビジョンは正に至高ともいえる内容、素早いパンチの連打の打ち合いに目まぐるしい技の応酬。かと思いきや高校生らしいジョークで会場を沸かす、長谷川がスピンキックを試みるも転んでしまい会場から笑いが起きるとその後にはダブルノックダウンでドッと歓声が沸く。終始目が離せないエキシビジョンが行われ終了後には温かい拍手が長く続いた。
試合後にマイクでは両者ともにエキシビジョンのお礼を関係者に伝えると、塚本は特性グッズを観客たちに投げ渡すファンサービスも披露。入場から退場まで会場を沸かせ続けた両選手、彼らが挑む次のステージにも期待したい。

第4試合 DEEP☆KICK-60kg契約 3分3R

×内本築(NJKFteamBonds)
〇津留純平(FFT)
判定3-0(26-27、26-28、26-27)

激しいダウンの奪い合いとなった1戦、-60kg契約で対峙したのは内本築(NJKFteamBonds)と津留純平(FFT)。その衝突は1R、早くも訪れた。津留はリング中央に陣取り、内本は周りながらも互いに中間距離にてジャブ・ローで探り合いをする中、津留は内本をコーナーに詰めるとボディストレート、そして同じように踏み込みながらのストレートで内本は腰が沈んでしまいダウンを許す。しかしそのストレートにカウンターのフックを合わせられた津留もダメージが見える、事実すぐに立った内本は歩を前に進めていき1R終了間際に強烈な右フックでダウンを奪い返しイーブンに。
2R、序盤から近い距離での打ち合いが増えていくと互いに被弾も増えダメージも浮き彫りに。しかし足は止めない両者、中でも内本の威力あるパンチの連打が好印象を見せる。津留もパンチに膝と圧をかけていくもややヒット数に差が出たか、2R終了時点での途中判定では2者が18-17で内本を支持した(1名は18-18)。
運命の3R、後がない津留は開始から猛攻を仕掛けるも逆に内本のフックツーを被弾してしまう。しかし止まらない津留、圧をかけながらストレート・フック・アッパーと振りぬいていく。内本は下がりながらもジャブやカウンターのフックで津留をはじき返すが止まらない津留、途中組付きが増えレフェリーより2Rからの累積で両選手に警告が与えられる。残り時間1分のコールが響いたころ、津留はコーナー間際でツー・フックで内本をコーナーに詰めると最後はストレート、この一撃で再び内本の腰が沈んでしまい津留が逆転ダウンを奪取。このまま終わらせてなるものかと内本は鬼の猛攻を見せるが無情にも3R終了のゴングが鳴り響き試合終了、逆転のダウンを決めた津留が勝利を掴んだ。
まだまだ粗削りながらも最後まで打ち合いを魅せ今大会ベストバウト間違いなしの盛り上がりを収めた両者、このZERO大会を糧に次のステップに進んだ姿にまた期待したい。

第3試合 DEEP☆KICK-52kg契約 3分3R

×長舩ライオン(NJKF心将塾)
〇水流添正太(NJKF道場373)
2R TKO(レフェリーストップ)

共に東大阪生まれ・26歳同士の対決。ゴングからスピードと重さのあるパンチとローを振りぬいていく水流添正太(NJKF道場373)、対する長舩ライオン(NJKF心将塾)はガードを固めながらロー・カーフキック、時折鋭いハイキックを混ぜていく。1R、先に仕掛け手数も多い水流添とガードを固めカーフを蓄積させていく長舩という形に。2Rも同じようにガードを固めながらカーフに前蹴りを組み込んでいった長舩に対し水流添は細かいパンチで上に意識をやると左ボディフック一閃、この一撃で長舩は悶絶しながら倒れこみレフェリーストップ。正に一撃KOで水流添がDEEP☆KICK初出場・初KO・初勝利全てをかっさらった。

第2試合 DEEP☆KICK-57.5kg契約 3分3R

△三輪憂斗(真正会)
△横田速人(猛志會)
判定1-0(29-29、30-29、29-29)

1Rからスイッチしながら強力なパンチを武器に飛び込んでいく三輪憂斗(真正会)、後手に回りながらも膝にパンチを加えて反撃する横田速人(猛志會)。1Rは三輪が攻めた印象を見せるも2Rには横田も挽回、リーチを活かしながら切り返していく。しかし互いに印象的な攻撃を見せれず2R終了時点での途中経過は3者共に20-19で三輪を支持。3R、横田の動きは一気に加速、パンチから膝のコンビネーションを武器に三輪を攻める、三輪もパンチを返していくも押された印象。結果1-0(三輪)のドロー、互いにDEEP☆KICK初勝利はお預けとなった。

第1試合 DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R

〇中嶋愛樹斗(誠剛館)
×西村孝幸(ビンチェレあべの)
1R TKO(レフェリーストップ)

プロデビュー戦となった西村孝幸(ビンチェレあべの)は果敢に前に打ち出すも中嶋愛樹斗(誠剛館)との身長差は約13cm、リーチに苦戦する中で中嶋の左フックがクリーンヒット、ファーストダウンを奪われる。それでもリングを周りながらパンチで前に打ち出る西村だったが中嶋の右ストレートで2度目のダウン、これが決め手となりレフェリーストップ。これで誠剛館期待のホープ中嶋がプロ2戦2勝2KO目を勝ち取った。

NEXT☆LEVEL提供試合

OPファイトでは計5試合が行われた。中でもOP第5試合には-78kg契約で一心会の代表、石塚貴史(一心会)が参戦。宮崎翔太郎(NJKF健心塾)を迎え撃つと、重量級にふさわしい迫力ある対戦に。ムエタイスタイルからローにハイ、首相撲から膝と熟練された動きを見せる石塚に宮崎はまったくひるまず威力抜群のローにパンチを繋げていく。接戦は2R続き判定は0-1(宮崎)のドロー、勝てはしなかったものの石塚代表は一心会の教え子たちにカッコいい背姿を見せることが出来ただろう。
他の試合も高レベルな試合が目白押し、アマチュアと言えどもプロ顔負けの盛り上がりを見せた。

オープニングファイト第5試合 -78kg契約 1分30秒2R

△石塚貴史(一心会)
△宮崎翔太郎(NJKF健心塾)
判定0-1(19-19、19-20、19-19)

オープニングファイト第4試合 -60kg契約 1分30秒2R

〇山中楽斗(及川道場)
×加古稟虎(NJKFteamBonds)
判定3-0(20-18、20-18、20-18)

オープニングファイト第3試合 -55kg契約 1分30秒2R

〇香川刻(Blaze)
×赤木春斗(NJKF健心塾)
判定3-0(20-19、20-18、20-19)

オープニングファイト第2試合 -26kg契約 1分30秒2R

×三谷那瑠(NJKF健心塾 平野支部)
〇永野莉愛(02GYM)
判定0-3(17-20、17-20、17-20)

オープニングファイト第1試合 -40kg契約 1分2R

×里見魁(TEAM S-joint)
〇二若璃斗(魁塾 中川道場)
判定0-2(19-20、19-19、19-20)

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