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西日本格闘漫遊記 第3回「RISE王者という大空を目指すRISEフライ級1位、棚澤大空(TEAM TEPPEN)」

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「まだ夢を見ているみたいで。ちょっとまだ自分でも気持ちが追いついていないですね」
そう語るのはRISEフライ級1位の棚澤大空(TEAM TEPPEN)。RISE196(2月23日・後楽園ホールで、同級3位の松本天志(TARGET SHIBUYA)と空位のRISEフライ級王座を争う18歳だ。「キックボクシングを始めて2年ちょっと。もうここまで来れたのかという感じだけど、これも勝ち続けているおかげでしょう。自信を持って挑みたい」

記事・写真:布施鋼治、試合写真:池田博紀

その言葉に偽りはない。2024年4月28日、DEEP☆KICK京都・亀岡大会でプロデビューして以来、11戦全勝(3KO)と無敗の快進撃を続けている。すでにタイトルマッチもDEEP☆KICKで経験済み。2025年3月23日のDEEP☆KICK73では山田貴紀(山口道場)を本戦判定ドローの接戦となり、延長判定で撃破。第7代DEEP☆KICK-53㎏王座を奪取した。
「DEEP☆KICKのおかげでキャリアを積めたことがいまにつながっている。とくにたくさんのお客さんの中で試合をするという経験は自分の実になっていると思う」
キックのキャリアは浅いが、格闘技歴は長い。3歳からフルコンタクトの空手衣の袖を通し、稽古に打ち込んできた。

「でも、空手をやっている頃はやらされている時期もありましたね。『言われたことをやればいい』みたいなところもあったので」
キックを始めてから競技との接し方は180度変わったという。「キックをやるようになってからは自分から率先して考えたり、どうやったら強くなるかのを自分で考えたりする時間が圧倒的に多くなりましたね」
同じ打撃系格闘技ながら、棚澤はキックと空手は別競技と捉えている。

「やっぱり距離も違えば、攻撃の散らし方や誘い方も全然違う気がします」
普段指導を受けるTEAM TEPPENの西岡蓮太トレーナー(元シュートボクシング日本ライト級王者) とのやりとりも密だ。
「一緒にいないときでも、SNSを通して格闘技のことを話し合ったりしていますね」
練習の拠点は大阪。堺筋本町にあるTEPPEN GYM大阪キックボクシング&フィットネスで日々ジムワークに励む。千葉・大阪・タイを行き来しながら指導する那須川弘幸代表の指導力にも「ホンマにすごい」と目を見張る。
「とくにすごいのは選手を見る目。僕の動きをパッと見て、何が足りないのかがすぐわかったりする。僕のいいところだけではなく、それにプラスちょっと足りないところも指摘してくれるので、ときどき図星じゃないかと思うこともありますね(微笑)」
そうした指導を受けながら、棚澤は試合では対戦相手の一歩、あるいは二歩先を読むようになった。「練習ではもっと先を読むようにしています。読みが外れることもあるけど、相手の最初の動きを見るようにしていますね。こっちの動きに対して、どういう反応をしてくるかとか」
──実戦では緊張する方?
「そうだと思うんですけど、試合になったら(闘いの)スイッチが入りますね。空手をやっている頃から自然に入っていた。向いているかどうかで行ったら、格闘技は本当に自分に向いていると思う」

TEPPENのルーツといえる″神童″那須川天心は幼少期の棚澤にとって憬れの的だった。「小学校3年生くらいのときですかね。テレビで見たトーナメントで連続KOとかしていたんですよ。たぶんキックのことは何もわかっていなかったと思うんですけど、とにかくすごいなって。(自分がキックをやり始めたきっかけとして)天心さんの強さに惹かれたというのは絶対ありますね。いまも時々アドバイスをいただくことがある。会うだけで、めっちゃ緊張しますけど(微笑)」
実はもうひとり、棚澤の運命を決定づけた選手がいる。かつてRIZIN史上初の二階級制覇を成し遂げ、現在は復帰したUFCで活躍中の堀口恭司だ。「小5くらいの時さいたまスーパーアリーナまで試合を観に行ったことがあるんですけど、めっちゃ華を感じました。試合後、出入り口で待っていたら、チャンピオンベルトに触らせてくれた。対応が優しい人だったので、めっちゃファンになりました」
目から見ても男前なので、今回の松本天志とのRISEフライ級王座王座決定戦は″イケメン対決″という声さえあがる。もっとも棚澤は非の打ちどころのない二枚目ではない。昨年ガチ!トーナメントに出場するための面接の際すでにカミングアウトしているが、学校の勉強は大の苦手というのだ。

今回の取材前、RISEのスタッフが3の段の九九を求めると、棚澤はすぐ「3×1は3」「3×2は6」と順調に答え始めた。
しかし、「3×5は14」。九九が苦手なのはリアルのようだが、人はパーフェクトではなく、何かひとつやふたつ短所がある方が魅力的に映ることもある。「親には『お前は勉強ができないから、体(を資本に)稼ぐしかない』ようなことを言われていましたね」
課題は連勝記録は更新中ながらKOが少ないこと。昨年12月14日のDEEP☆KICK76では中田史斗(究道会館)を相手に3-0の判定で初防衛に成功したが、倒せなかったことで内容に不満が残る防衛戦となってしまった。
「微妙な試合でした。試合後のインタビューでも50点と言ったけど、那須川会長も同じくらいの点数だと思っていたようです。今回僕が狙うRISEのベルトはもともと価値が高い。だから自分がどういう試合をして獲るかで、フライ級王座の価値は変わってくると思う。みんなが望んでいるKO勝ちで王座を奪取したい」
大空と書いて「そら」と読む。リングネームではなく本名だ。「どんな理由で親がつけたか知らないけど、気に入っています」
無限に広がる格闘技という″大空″に羽ばたくことができるか。

プロフィール

リングネーム:棚澤大空
生年月日:2007年8月1日
出身地:兵庫県
身長:164cm
所属:TEAM TEPPEN
プロ通算戦績:11戦11勝(3KO)

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