2022年11月27日サムライメソッド やわらぎ大阪セミナーレポート

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■主催:SAMURAI METHOD やわらぎ
■名称:サムライメソッド やわらぎ大阪セミナー
■日時:2022年11月27日(日)
■会場:明治東洋医学院専門学校 柔道場
■住所:大阪府吹田市西御旅町7-53

コロナ影響で一時開催が中断していた大阪セミナーであるが、今回は明治東洋医学院専門学校の柔道場で開催され、内容は古来の日本柔術の活殺の手技を用いた施術に使える技法を平氏が教え、同学校の柔道整復学科の学生も参加しており、これらの将来的な施術家が平氏のセミナーを受け、古来より続く日本柔術の活法を柔道整復師の技量として活かす事が出来れば、大いに意義があり、セミナーの雰囲気や休憩中に参加者と笑顔で談笑する平氏の人徳が分かり、これらがサムライメソッドやわらぎの魅力と言えるだろう。

まず平氏が挨拶と共に紹介したのは、操体法であり、その中で平氏が子供時代は、道路は砂利を敷いており、歩きにくい環境であった。ヨーロッパなども道路は石畳であり、そこを革靴で歩いた方が調子は良く、歩きににくい環境で歩くのが体の良いかと語った。そして操体法の解説では京都セミナーを開催している小松氏が、般若身経を実演しながら解説をした。
その次に平氏は自身が子供時代は身体が悪い子供はいなかったが、現代の子供は身体が悪い箇所を持っている場合がある。そして、昔の子供は体育の時間で運動会などを、裸足で走る子供が多かった。過去の東京オリンピック(1964年)ではマラソンでアベベ選手は裸足で金メダルを獲得しており、それら指が効いている走りが出来る者は裸足で走った方が速い、それらは平氏の考える意識と無意識と環境に繋がる。アフリカなど裸足で自然の環境で育った者は人間が元々持っている足の裏の形が出来、高い身体能力を発揮出来る。それらは日本のアスリートが後天的にトレーニングしても身に付ける事が出来ない。そして柳生心眼流では口伝として稽古のアドバイスを伝える。手足の指先から鍛え、「病は手足の指先から始まる。結果は頭に出る」昔の人は腰痛などになってもすぐに治る。しかし、手足の指が曲がってからでは、簡単に治らない。それらの最初の治す方法で見せたのは、首に圧を掛けるだけで、前屈などの可動範囲が広がる物であった。それらは骨に対して触る物であり、人間は電気的物体であり、骨は電気を帯びており筋も帯びている。電圧を測ると骨が10、筋が1であり、骨に対して圧力を掛けると筋も影響を受ける。そして次に見せたのは背骨に殴打法を入れると、前屈が更に出来る様になった。
相撲でも土俵は滑る様になっている。それら滑る様にする事で足の指が効き怪我をしにくくなる。頭では柔道場と分かっているが、身体にとっては未知であり、身体全体は力を出さない。人間は力を無駄遣いしない。生命に関わるので、楽な方へ身体を使う。相撲の話に戻れば、下っ端が土俵を使えない場合は公園などで稽古をするが、その方が安全で平坦な環境でするより、よっぽど怪我が少ないと平氏は語った。

次に身体の可動範囲が広がる目から鱗が落ちる使い方は、身体を捻じり限界まで来ても薬指と小指を触れるだけで簡単に可動範囲が広がる物であった。これらは施術家にとって、大変意義がある教えであると言えるだろう。
そして、頭に手を置く、首を掴む、肩を揉み上げる。それら1回で効く身体を治す施術を見せた。動がしながら筋肉の悪い所を取るは、武術の動きが出来ないと出来ない。江戸時代まではこれらが普通であったが、明治時代に柔術が柔道に負けて大打撃を受けた。だが柔道の嘉納先生は柔術を柔整として残した。しかし、腕の良い柔術家の施術はいつの間にか消えてしまった。

更に平氏が語ったのは頭に物を置くだけで身体に良い反応が出るので、江戸時代はちょんまげをして、湯船では頭に濡れたタオルを置いたのではないかと語り、昔の日本軍でも帽子に垂れがついたのでないかと考察した。
それらの解説では、平氏は常にジョークを交え、参加者は緊張することなく、リラックスした雰囲気でセミナーが進行しているのが印象に残った。
次は足へのアプローチだが、身体を柔らかくする手技では、踵を手で水を持つ様な自然な形で持ちながら、足の指を進行方向へ真っすぐなる様にする事で、平氏曰く「骨の手当」を行う事で、指の反応を引き出す事で、可動範囲が広がる物であった。これらも身体のネットワークだと平氏は語った。そして筋肉を揉むのではなく、奥の物を導く。解ける感じであり、筋肉が水で流れる感じで分かるのが達人であると平氏は語った。
更に足へのアプローチは、膝を触る骨盤へ触れる。それらで更に可動範囲が広がる施術を実演した。

次は施術を受ける側の後ろに立ったり、手を当てたりするだけで可動範囲が広がる物であり、それらも意識と無意識であり、気功はそれらを上手に操っており、骨の動きが上手であれば電圧が高まり、反応を引き出せる。だから、それらも「手当」と呼ぶ。
次はお腹を下にして身体が固い者でも、同じ様に足を上げ膝に手を当てる事で可動範囲を広げる。身体に対してお節介をしない、それが平氏の目指す、現代人でも出来る様に工夫されている「やわらぎ」である。
人間の行動は環境と記憶に左右される。テストしても環境により同じ実力は出せない。頭の中にある物が一定時間に出せるのを能力と言える。それが人間の特性であり、記憶は見た物は全て脳に入っているが、それを引き出すのが能力と言えるが、それらから学んだのは脳とは誤作動をさせる事が出来る。
平氏が言うシン柔術では、寝技を使わない物であり、グレイシー柔術が証明した総合格闘技の始まりであり、腕と腕を力と力でなく、力を抜いた脱力した腕を当てる事で相手を崩す技法であった。脳を騙す技法であり、医科学的にも2004年にベンジャミンリベットが証明している。人間は0.5秒が目で見るのに時間が掛かる。3つの動きを正常にすると1.5秒掛かる。それらの反応を使い脳に誤作動させる事で相手を崩す事である。これらは柳生心眼流でも使う技法である。
ボクシングなどスポーツは安全を守るかがルールであり、危険な技法は外されている。身体を柔らかくするのが、脳を誤作動させる方法であり、施術にも応用が出来る。武術的に世界一やってはいけない健康法は、令和の現在でも、使い方次第で本当に身体に良い健康法となる。

最後に見せたのは、脳を騙すとは手首を掴んで貰い、1、2、3で動かすときに、3で崩しを入れる事で相手を簡単に崩す事が出来る。骨の事でもう一つ教えを説き、正しい姿勢で骨へ圧力を掛け電圧を入れる事で強い力を出す事が出来る。そうすると身体が楽になる。昔の人は今の科学でも分からない事を分かっており、柔術には先人たちの知識が詰まっている力の出し方である。
また平氏はセミナーの最後に身体の使い方をレクチャーし、毎回恒例の締めにトークをするが、そのトークが楽しく尚且つ、時間通りに終わるのも流石と言えるだろう。
次回のサムライメソッド やわらぎ大阪セミナーの開催を期待したい。

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