■主催:DEEP☆KICK実行委員会
■名称:DEEP☆KICK ZERO 23
■日時:2025年7月27日(日)
■会場:176box
■住所:大阪府豊中市庄内東町5丁目7-25
記事:三野龍生、写真:石本文子
7月27日(日)豊中市・176BOXにて2部開催の内第2部『DEEP☆KICK ZERO 23』が行われた。大会はOPからアマチュア王座決定戦で確かな盛り上がりを魅せると、プロ本戦3つのトーナメントではどの試合も緊張感あふれる試合が繰り広げられた。下半期に突入したDEEP☆KICK、次回大会は9月7日(日)DEEP☆KICKのホームである泉大津市・テクスピア大阪にて「DEEP☆KICK 75」の開催が決定している。
メインイベント DEEP☆KICK-51kg王座決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R
〇松本愛斗(月心会チーム侍)
×泰生(NJKF誠輪ジム)
判定2-0(30-29、30-30、30-28)
※松本愛斗がトーナメント決勝に進出する。
DEEP☆KICK-51kg第4代王者であるKING陸斗(ROYAL KINGS)が返上したベルトを懸けたDEEP☆KICK-51kg王座決定トーナメントの準決勝が開催。プロ戦績は3戦2勝1敗1KOと今回がプロ4戦目ながらも同級1位であり、次こそはベルト奪取と意気込む松本愛斗(月心会チーム侍)と5月にプロデビューしたばかりであり今回がプロ2戦目となる泰生(NJKF誠輪ジム)のルーキー同士が今大会のメインイベントを飾る。元々、当試合は松本と同級5位の水野夢斗(TEAM TEPPEN)が対戦予定だったが、水野が先日の試合で怪我を負い出場を辞退、泰生が代役としての参戦を果たしたという経緯がある。 松本は今回が2度目のトーナメントという事もあり次こそはという気持ちが大きいだろうが、15歳の泰生からしたらプロ2戦目でベルトに関わる試合に出場と嬉しさもあるだろうがプレッシャーも計り知れない。そう思われたが1R、ジャブにローを放ちながらワンツーで踏み込む松本に対し、泰生は距離を獲りながらミドルにローを返し近い距離ではツーにフックと放つなどプロ2戦目とは思えない落ち着きと冷静さを見せる。静かな立ち上がりも互いに戦績には見合わない冷静かつ丁寧な試合展開となり第1R終了。すると続く2Rは打って変わって近い距離で始まると、そのまま打ち合いの展開が増えていく。泰生はそこから前蹴りにロー・膝など蹴りを合わせていくが松本はお構いなしに距離を詰めていきジャブにワンツー・膝とヒットを重ねていく。2Rはヒットに差が出た印象、2R終了時点でのオープンスコアは1名が20-20でイーブン、2名が20-19で松本を支持する。最終ラウンド、ここで巻き返しを図りたい泰生はジャブを突きながらローにテンカオに飛び膝で起死回生を狙う。だが松本は止まらない、冷静にタイミングを計りながら自慢のパンチを武器に踏み込んでいき泰生に好きに動かせない。泰生は逆転の一手を最後まで狙うもこれを松本がシャットアウト、試合終了のゴングが鳴り響くと松本は小さく手を上げアピールした。判定は1名がドローも2名が松本を支持、結果2-0で松本が判定勝利を収めトーナメント決勝への進出を決めた。するとセミファイナルにて一足先に決勝進出を決めていた龍太郎(VALIENTE)がリングイン、マイクを握ると「今回、僕がした試合じゃあまだまだチャンピオンとして相応しくないと思うので、次の9月までにしっかり仕上げて、チャンピオンになっても笑われないような試合をしてベルトを巻くので応援お願いします」と語ると、続く松本は「(今回は)自分で納得できる試合が出来なくて悔しいですけど、次のタイトルマッチまでにしっかり仕上げてもっと強くなるので応援お願いします」と語った。両者は9月、テクスピア大阪で開催予定の「DEEP☆KICK 75」にてDEEP☆KICK-51kg第5代王者を懸けて激突する。
セミファイナル DEEP☆KICK-51kg王座決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R
×一樹(Reborn kickboxing gym)
〇龍太郎(VALIENTE)
判定0-3(29-30、28-30、27-30)
※龍太郎がトーナメント決勝に進出する。
3度目の正直を競う。DEEP☆KICK-51kg王座決定トーナメントの準決勝、互いに2度トーナメントに出場するも制覇することが出来ず、3度目のトーナメント出場となるDEEP☆KICK軽量級で長く活躍してきたファイター同士、同級2位の一樹(team一樹)と同級3位の龍太郎(VALIENTE)が対峙する。一樹は過去のトーナメントでは2度、同級王座決定戦に辿り着いているが第2代王者のKING TSUBASA(ROYAL KINGS)、そして第4代王者のKING陸斗(ROYAL KINGS)にそれぞれ敗戦、ベルト目前で悔し涙を飲んだ。それもあってか次こそはという気持ちは誰よりも強く、入場してきた一樹の眼には確かな覚悟が見えた。対する龍太郎、こちらもその後王者になる第3代王者の安尾瑠輝(K-1ジム心斎橋チームレパード)、そしてKING陸斗に敗北しており何より現在トーナメントではまだ未勝利となっている。今回こそ勝利を掴み勢いのままにトーナメント制覇となるか。 果たして1R、互いにステップを踏みながら中間距離で見合うと、龍太郎は上下のパンチの打ち分けにカーフとヒットさせていく。対する一樹もジャブ・ボディジャブを突きながらカーフ、近い距離でアッパーを交えながらのパンチ連打と放つ。互いに踏み込み・パンチは早くスピーディーな展開が続いていくが、ヒット数は龍太郎が上回った印象。続く2R、一樹は1Rより圧を強め近い距離に入りパンチ連打に繋ぐ。龍太郎はステップを踏みながら自身の距離を保つと左右のフックにボディでこちらは1R同様にヒットを重ねる。一樹は状況を変えたかったが、一樹のパンチを避けた後に右フックを当てるなど要所で印象的なパンチをヒットさせる龍太郎がこのラウンドも優勢か、2R終了時点でのオープンスコアは2名が20-19、1名が20-18と3者共に龍太郎を支持。最終ラウンド、一樹は更に近い距離に踏み込んでいき打ち合いの展開に持ち込んでいく。しかし龍太郎は冷静だ、慌てることなく左右のフックを軸に細かいパンチを返していく。時折放たれるカーフも好印象。一樹はその近い距離をキープし逆転の一打を狙い手を休めずに放っていくがここでも要所のヒットは龍太郎が奪っていき試合終了。関係者たちから「(龍太郎は)以前に比べ一気に強くなった、前戦でのKO勝利が大きかったのか」と語られるほどの実力を見せた龍太郎が結果3-0でトーナメント初勝利を収め、決勝に躍り出た。
第4試合 DEEP☆KICK-53kg挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R
〇中田史斗(究道会館)
×愛瑠斗(RAUSU GYM)
判定2-0(30-29、29-29、30-29)
※中田史斗がトーナメント決勝に進出する。
第1部「DEEP☆KICK ZERO 22」で行われたDEEP☆KICK-53kg挑戦者決定トーナメント準決勝のもう1ブロック、残る最後の椅子を同級2位の中田史斗(究道会館)とK-1ファイター・愛瑠斗(RAUSU GYM)が競う。 試合は1R、序盤は中田の動きが光った。圧をかけながら前蹴りにパンチ連打、膝とアグレッシブに攻め入る。動きもよくパンチを軸にどんどんと打ち出る。すると今度は愛瑠斗がスイッチしながらハイキックにロー、ミドル・三日月蹴り・膝と蹴り技を中心に放つ中で、ボディブローを交えながらのボディ狙いが印象を残していく。 続く2R、早々から互いにカーフキックを効かせ合う。その後、近い距離での組付きが増えていくも愛瑠斗は膝を軸にボディを狙い、中田はカーフを狙っていく。2R終了時点でのオープンスコアは2名が20-20、1名が20-19で中田を支持する。最終ラウンド、このラウンドを獲った方が勝つだけあって互いに気合は十分。早々に中田が左ミドル3連打をヒットさせれば、愛瑠斗も強烈なボディに膝と返す。中田がワンツーにミドルと合わせ、愛瑠斗はとことん膝を打ち込むシーソーゲームは最後まで続き試合終了。接戦となるもジャッジ2名が中田を支持し結果、中田が判定勝利を収めトーナメント決勝進出を決めた。 試合後リングには第1部「DEEP☆KICK ZERO 22」で勝利を収め一足先に決勝進出を決めていた大輝(DK9)がリングイン、マイクを握ると「中田選手に前負けてるのでリベンジできることが嬉しいです、9月はKOで倒したいと思うので応援お願いします」と昨年9月に一度破れている中田へのリベンジについて語ると、中田は「僕は本当は4月に格闘技を辞めて仕事に専念しようと思ったんですが、ジムの先輩が活躍する姿を見て、僕もやっぱりこのリングで輝きたいって思い、最高な男になるためにリングに戻ってきました」と一度は格闘技の道を諦めかけたことをカミングアウトすると、続けて「大輝選手は左足の蹴りが強いので、試合までに足、怪我してください」と放ち笑いを誘うと「9月は僕が勝って棚澤くんにリベンジします」と2月に敗北を喫したDEEP☆KICK-53kg第7代王者である棚澤大空(TEAM TEPPEN)へのリベンジを誓った。両者は9月、テクスピア大阪で開催予定の「DEEP☆KICK 75」にてDEEP☆KICK-53kg挑戦者決定トーナメント決勝、棚澤とのタイトルマッチ挑戦権を懸けて激突する。
第3試合 DEEP☆KICK-57.5kg契約 3分3R
-聡一郎(道化倶楽部)
-山本竜輝(MAX DRAGON GYM)
※ノーコンテスト
※1R1分54秒に山本竜輝が聡一郎の偶発的なローブローを被弾、回復をまったが続行不可能とレフェリー・ドクターが判断、1R途中に起きたアクシデントのため当試合をノーコンテストとする。
勝利=KOというレコードを持つ聡一郎(道化倶楽部)と空手着をまとい入場してきた空手家・山本竜輝(MAX DRAGON GYM)が対戦。試合は1R、鋭い左ミドルとタイミングのいいカーフで早くも聡一郎が主導権を握る。山本もワンツーに後ろ回し蹴り・飛び膝蹴りと放っていくがカーフのダメージは明らかだ。聡一郎はそこからパンチ連打に膝と印象を掴んでいくが、その膝がローブローになってしまい試合が一時中断となる。再開後、再び聡一郎は圧をかけて左右のフックと膝と放つと、再び山本がローブローを被弾してしまう。山本の回復をまったが試合続行不可能とレフェリー・ドクターが判断、偶発的なローブローによる1R途中に起きたアクシデントのためDEEP☆KICK公式ルールに則り、当試合はノーコンテストとなった。
第2試合 DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R
〇田中恒星(FASCINATE FIGHT TEAM)
×冨永武聖(REVOLT)
2R TKO(レフェリーストップ)
※冨永武聖に1Rダウン×2有り。
DEEP☆KICK-55kg契約の1戦、元RKSバンタム級王者の田中恒星(FASCINATE FIGHT TEAM)とプロ4勝のうち3KOとKO率が高い福岡県からの刺客・冨永武聖(REVOLT)が激突。すると試合は1R開始早々から急展開、富永がカーフを蹴りながらじわじわ距離を詰めてきたところに田中はジャブ・ストレートとヒットさせるとそこから急加速、ワンツーからパンチ連打を浴びせていき開始僅か30秒、右フックで田中がファーストダウンを奪う。そこから田中は富永をロープに詰めラッシュをかけていく。冨永も打ち返していくが、再び田中がロープ際でラッシュを懸けていくとダメージの見える冨永はロープにもたれる形で2度目のダウンを喫する。決めに行く田中は更にラッシュを強める、しかし冨永はダメージは明らなはずだがボディにストレートと威力ある攻撃を返すなどまだまだ折れないという意思を見せつけ1R終了。 2R、冨永は圧を強め左フック・ボディを中心に前に押し出る。田中はガードを固めながらカーフに返しのフックと冷静な対応を取っていく。最中、田中のカウンターのワン・ツー・フックが連続でヒットすると冨永の腰が少し落ちる、田中はここで再びツー・フックと連打を浴びせていくと1Rからの蓄積もあり冨永のダメージを見たレフェリーが試合をストップ。1Rから圧巻のパンチ連打を見せつけた田中が2R1分33秒、TKO勝利を奪い取った。
第1試合 DEEP☆KICK-63kg契約 3分3R
×翔(TeamKAKERU)
〇小路督也(BLOW GYM)
判定0-3(28-30、28-29、28-30)
互いにDEEP☆KICKではまだ勝ち星のない翔(TeamKAKERU)と小路督也(BLOW GYM)のDEEP☆KICK-63kg契約の1戦。1R、サウスポーに構える翔は右フック・ストレートに左ミドル・膝と威力ある攻撃を見せる。対する小路は距離を詰めながらミドルにワンツー・パンチ連打に繋いでいく。互いに前足へのローを多く放ちながらパンチでもヒットを奪い合う。すると続く2R、勝負が動き出す。翔はフックツーに膝と狙っていき、小路は左フックにミドル・膝と放っていく。序盤は互角の攻防となっていくが徐々に小路の手数が目立っていくと、そのまま膝にストレートとヒットさせ印象を掴む。2R終了時点でのオープンスコアは1名が19-19でイーブン、2名が20-19で小路を支持する。 最終ラウンド、早々から小路は距離を詰め左フック・ツーにパンチ連打・飛び膝蹴りとアグレッシブに攻める。翔も膝にストレートと返すがスタミナ切れから手数が減っていく。小路はそのまま勢いに乗っていくとラウンド後半には翔をロープに張り付けどんどんと膝を連打していき試合終了。判定はジャッジ3名共に2,3Rと攻勢を見せた小路を支持し結果、小路がDEEP☆KICK初勝利を収めプロ2勝目を勝ち取った。
NEXT☆LEVEL提供試合
OPイベント、アマチュアファイトではNEXT☆LEVEL提供試合としてTOP☆RUN関西一般王座決定戦3階級の試合が開催されると、-60kgでは藤原司(及川道場)が2Rにパンチラッシュでダウンを奪うと、そこから後ろ回し蹴りで2度目のダウンを奪いTKO、2RTKO勝利で-60kg第17代王者に輝いた。また他2試合では試合は延長ラウンドにもつれ込む激闘となるも、延長ラウンドでも確かなスタミナ・技術、そして気持ちを前面に出しきった志水唱乃介(魁塾 中川道場)が-55kg第9代王者、山田真也(パラエストラ森ノ宮)が-65kg第16代王者とそれぞれ戴冠を果たした。このTOP☆RUNベルト戴冠を機にプロの道に進む選手も多い、果たして今回の戴冠を機にこの中からDEEP☆KICKプロのリングで暴れまわる選手も現れるか、3選手の今後にも是非注目したい。
オープニングファイト第3試合 TOP☆RUN関西一般-65kg王座決定戦 1分30秒3R 延長1R
×菊池太一(心武館)
〇田真也(パラエストラ森ノ宮)
判定1-1(30-29、29-29、29-30)、延長0-3(9-10、9-10、9-10)
※山田真也がTOP☆RUN関西一般-65kg第16代王者となる。
オープニングファイト第2試合 TOP☆RUN関西一般-60kg王座決定戦 1分30秒3R 延長1R
〇藤原司(及川道場)
×朴竜佑(VALIENTE)
2R TKO(レフェリーストップ)
※朴竜佑に2Rダウン×1有り。
※藤原司がTOP☆RUN関西一般-60kg第17代王者となる。
オープニングファイト第1試合 TOP☆RUN関西一般-55kg王座決定戦 1分30秒3R 延長1R
×山下洸貴(TEPPEN GYM 大阪)
〇志水唱乃介(魁塾 中川道場)
判定1-1(30-29、29-29、29-30)、延長0-3(9-10、9-10、9-10)
※志水唱乃介がTOP☆RUN関西一般-55kg第9代王者となる。