2025年4月29日DEEP☆KICK ZERO 21レポート

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■主催:DEEP☆KICK実行委員会
■名称:DEEP☆KICK ZERO 21
■日時:2025年4月29日(火・祝)
■会場:176box
■住所:大阪府豊中市庄内東町5丁目7-25

記事:三野龍生、写真:川谷菜緒

4月29日(火・祝)豊中市・176BOXにて2部開催の内第2部『DEEP☆KICK ZERO 21』が開催された。大会ではセミファイナルでDEEP☆KICK-60kg王座決定戦が行われると健真が圧巻の技術を披露し-60kg第10代王者に輝くと、メインイベントでは桃花・シンデレラが前評判以上の実力を見せつけ判定勝利、QUEEN初代王座決定戦への進出を決めた。続くDEEP☆KICK QUEEN -46kg初代王者決定戦は6月22日(日)テクスピア大阪で行われる『DEEP☆KICK 74』にて、”2人のももか”が競い合う。

メインイベント DEEP☆KICK QUEEN -46kg初代王座決定トーナメント Bブロック決勝 2分3R 延長1R

×坂田実優(FASCINATE FIGHT TEAM)
〇桃花・シンデレラ(山口道場)
判定0-3(28-30、27-30、28-30)
※桃花・シンデレラがQUEEN -46kg初代王座決定トーナメント決勝に進出する。

今年2月より始まったDEEP☆KICK QUEEN -46kg初代王者を決めるトーナメントのBブロックの決勝戦、前評判では今回がプロ3戦目ながらも優勝候補の一角として噂されている桃花・シンデレラ(山口道場)と2月の準決勝で久方ぶりの勝利を手にし勢いのままにベルト奪取を狙う激戦上等の実力者・坂田実優(FASCINATE FIGHT TEAM)が対戦。果たしてどちらの勢いが上回るか。
試合は1R、坂田は早くも近い距離に入っていくとローにミドルと放っていくとストレートをヒットさせる。しかしプロ3戦目ながらもここで慌てないのが桃花の恐ろしさ、冷静に距離を取り直すとお返しの左ストレートをヒットさせる。そしてそこからストレート・フックと踏み込んでくる坂田に桃花は前蹴りを放ちながら右フック・左ストレートと返していく展開となる。
続く2R、坂田は更に手数を増やし速い左右のフックを放っていくが桃花は冷静。カウンターの左ストレートを度々合わせていくと、ワンツーに右フックとここでもヒットを稼ぐ。タイミングもいい、坂田が入っていきたいであろう所にあわされる桃花の左ストレートに坂田は苦戦している印象、このラウンドは桃花が優勢だろう。2R終了時点でのオープンスコアは2名が20-19、1名が20-18で3者共に桃花を支持。
最終ラウンド、互いに近い距離での打ち合いから始まると中で桃花は膝に加えここでも右フック・左ストレートとヒットさせる。坂田も持ち前のタフネスで下がることなく前に打ち出ていくがヒット数では桃花が常に上回っていく。とりわけ1Rから放っている左ストレートがやはり印象的だ、最終ゴングまでヒットを量産していった桃花が3-0で判定勝利、王座決定戦への進出を決めた。
試合後、第1部「DEEP☆KICK ZERO 20」のメインイベントで逆ブロックを制し一足先に決勝進出を決めていた百花(魁塾)がリングイン、マイクを持つと「今、試合を生で見させて頂いて勢いもあって凄いいい選手だなと思うんですけど、私も絶対ベルトが欲しいんでその勢いを止めて無敗を潰そうかなと思います、凄い面白い試合になると思うので応援お願いします」とアピールすると、桃花は「(百花選手が)決勝に上がってくるやろうなと思ってました。”ももか”対決になるんですけど、本当の”ももか”は私やっていうのを証明したいと思います、QUEENになるのは私なので応援お願いします」とこちらもアピールすると最後に「1・2・3・シンデレラ!」という桃花・シンデレラが勝った時の決め台詞を会場で放った。その後リング上にはDEEP☆KICK実行委員長 林裕人より6月の王座決定戦に勝利したチャンピオンに贈られるQUEENベルトが披露された。
2月より8人で始まったトーナメントも残り2人、DEEP☆KICK QUEEN初代王者に輝くのは果たしてどちらの”ももか”か。6月22日に開催予定のDEEP☆KICK QUEEN -46kg初代王座決定トーナメント決勝、2人の”ももか”による歴史に残る1戦を楽しみにしてほしい。

セミファイナル DEEP☆KICK-60kg王座決定トーナメント決勝 3分3R 延長1R

×上野コウキ(直心会)
〇健真(BLACK☆Jr)
判定0-3(29-30、28-29、28-30)
※健真がDEEP☆KICK-60kg第10代王者となる。

DEEP☆KICK-60kg第10代王者を決めるトーナメントの決勝戦。本来このトーナメントは第9代王者であるGUMP(TEAM TEPPEN)への挑戦権を懸けた挑戦者決定トーナメントだったが、GUMPが返上を表明したため急遽王座決定トーナメントとなった経緯がある。互いに準決勝を勝ち抜き決勝で相まみえるは上野コウキ(直心会)と健真(BLACK☆Jr)、両者は昨年3月、前挑戦者決定トーナメントの準決勝で対戦経験がありその際の判定は2-1で割れるも上野が判定勝利を収めている。互いにその際に勝敗には納得がいっていなかった、果たして再戦をモノにし第10代王者の椅子に座るのはどちらか。
1R、BLACK☆Jr門下生たちのダンスと共に踊りながら入場してきた健真は軽快なステップからジャブにワンツー、ローとアグレッシブに攻め入る。対する上野は左右のフックに左ミドル・膝と狙っていくが、健真のステップにやややりずらさが見える。そのまま勢いに乗る健真はステップで翻弄しながらストレートに前蹴りと放ちヒットを重ねていく、1Rは健真が優勢か。
続く2R、上野は左ミドル・三日月蹴り・左膝を中心に健真のボディを狙っていくと健真の右わき腹が赤く染まっていく。対す健真はワンツーにハイキック、膝に前蹴りと多彩な攻めを見せていく、2R終了時点でのオープンスコアは2名が20-19、1名が20-18で健真を支持する。
運命の最終ラウンド、ここで逆転を狙いたい上野は開始から左右のフックに左ミドル・ハイと逆転の一発を狙い攻め入る。健真はここでも冷静さを見せ、ステップを踏みながらミドルにストレート、膝と上野に好きに動かせない。何よりラウンド後半にはパンチ連打をまとめるなど健真もしっかりとヒットを稼いでいく。上野は最後の最後まで逆転の一手を狙いパンチにハイキックと放っていったが健真がこれをシャットアウトし試合終了。3R通して卓越した技術を見せつけた健真が3-0で判定勝利を収め、DEEP☆KICK-60kg第10代王者の椅子を勝ち取った。
判定決着から終始笑顔でベルトを巻いた健真は試合後、ベルト戴冠を達成したことについて「プロになって初めて獲れたベルトなんでホンマに高ぶっててめちゃめちゃ嬉しいですね」と喜びをあらわにすると上野との再戦について「前回は負けとなりましたが、今回は気持ちで最後まで勝とうと思ってました。で今回、自分が有利になるように1Rから動いて打ってというのを繰り返していく作戦だったんですがそれがハマったので良かったです。3Rに入ったらスタミナで僕が勝てると思っていたので、途中の三日月蹴りとかは2Rの後半から効いてましたけど、そこはもう気持ちで乗り切りました。そして途中判定で勝ってて、最終ラウンドも取られた感じなかったので勝った!とそこで思えて、名前を呼ばれて「よっしゃー!」ってなりました、本当に自分のやりたいようにやれて、作戦がドはまりした感じですね」と作戦通り遂行し勝利を手に掴んだと話した。そして今後の展望としては「RISEに出て、地味やけど強くて、名前を憶えられて、かつファンが増えるような、そんな選手になりたいです」と語った。そして最後に「大阪市西淀川区中島1-19-5にある「おはなし処かじやん」さんの入り口を借りて「健真のたこ焼き屋」をやっていますので、是非皆さん!たこ焼き買いに来てください!」とプロキックボクサーの傍ら自身がやっているたこ焼き屋の宣伝を行った。
決して派手なKOを獲る選手ではないが、確かな技術と作戦を遂行できる冷静さ、何よりたこ焼きダンスで入場してくる異質さを持ち合わせる健真、DEEP☆KICK-60kg第10代王者として次なるステージはどこだ。これからの健真のキックボクサーとして、そしてたこ焼き屋としての2つのストーリーにも注目してほしい。

第4試合 DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R

×仁保彩晴(SHARK GYM)
〇鉢田歩揮(フリー)
判定0-3(28-30、27-30、28-30)

今回からLEGEND GYMより自身が運営するSHARK GYMに所属を変えたプロ3戦目の仁保彩晴(SHARK GYM)と今回がプロデビュー戦となる鉢田歩揮(フリー)が対戦。両選手の身長差は実に12cmと鉢田が上回るが果たして。
1R、互いに果敢に打ち合う。仁保は中に踏み込んでからのパンチ連打にカーフ、鉢田は中間距離では左右のミドルにロー・前蹴り、入ってきたところにストレートに膝と対応していく。中間距離では鉢田の蹴りが光るが、仁保は近い距離では速い回転のパンチに蹴りを繰り出し流れを渡さない。
2R、序盤こそ左右のフックに膝で仁保が印象を残すも徐々に鉢田は自身の距離を明確に保ちだす。多彩な蹴りはもちろん、小まめに放たれるジャブも好印象。仁保はやや強引に中に入ろうとするが鉢田のジャブ・膝に出鼻をくじかれていく、このラウンドは鉢田が優勢だろう。2R終了時点でのオープンスコアは2名が20-19、1名が20-18で鉢田を支持。
後がない仁保だが鉢田の距離を崩せない。対し鉢田は左ボディにストレート、膝にワンツーと手数をさらに増やしていく。こうなると鉢田は止まらない、アッパーを織り交ぜながらのパンチ連打にカーフ、膝にボディと多様な攻めを見せていく、仁保も逆転の一手を狙っていくがヒットを奪うことは出来ず試合終了。判定は3者共に鉢田を支持し、鉢田がプロデビュー戦とは思えない実力を見せつけプロデビュー戦勝利を飾った。

第3試合 DEEP☆KICK-51kg契約 3分3R

×木下亜輝斗(FASCINATE FIGHT TEAM)
〇由知(TeamFreeStyle)
判定0-2(29-30、29-29、28-29)

DEEP☆KICK-51kg契約の1戦、ここで勝利しランキング入りを狙う木下亜輝斗(FASCINATE FIGHT TEAM)とプロ初勝利を狙う由知(TeamFreeStyle)が激突。1R、サウスポーに構える由知はジャブを放ちながら左ミドルに木下の前足にローキックを放っていく。対する木下は左フックにストレート、テンカオと返していく。じわじわ圧をかけながら蹴りに繋げる由知に鋭いステップと速いコンビネーションで返す木下という展開となる。続く2R、木下はテンカオにワンツーと入り際を狙っていく、由知は1Rに続きじわじわと圧をかけながら左ローを放っていくと木下の足が流され転倒する場面が増えていく。途中、木下がローブローを被弾し長く時間が止まるも、2Rは左ローを中心に攻勢を見せた由知が優勢、2R終了時点でのオープンスコアは2名が19-19でイーブン、1名が20-19で由知を支持する。
3R、このラウンドで勝負が決まるとだけあって互いに近い距離での打ち合いが増ええる。中で、由知は更に圧を強めジャブに左ロー・ミドルに膝、対する木下もストレートにツーフック、飛び膝蹴りと互いにアグレッシブに攻め入る。互いに最後まで一発を狙い打ち合ったがここで試合終了、判定は2-0で由知が判定勝利、嬉しいプロ初勝利を飾った。

第2試合 DEEP☆KICK-63kg契約 3分3R

×仁(LEGEND GYM)
〇TOJO(K-1GYM BLOWS)
2R TKO

第2位試合に登場するのは広島県を拠点とするTOJO(K-1GYM BLOWS)と滋賀県を拠点とする仁(LEGEND GYM)のDEEP☆KICK-63kg契約が大阪の地で対戦。試合は1R、TOJOが数発カーフをヒットさせ始まるとTOJOをロープ際に追い詰めた仁が左右のフックを連打し早くも印象を見せつける。そこから膝に左ボディの4連打とTOJOのボディを狙っていく仁、対しTOJOはこちらもジャブ・ストレートと連打を返していき中でしっかりカーフキック何度もヒットさせると仁の左足は瞬く間に赤く染まっていく。
そして2R、1R同様にボディを狙う仁とカーフを狙うTOJOとなる中、TOJOのワンツーからのストレートが仁にクリーンヒットしTOJOがファーストダウンを奪う。雄叫びを上げるTOJO、仁は立ち上がり再びボディを中心に攻勢を狙っていくが今度はTOJOのハイキックからのストレートで仁が2度目のダウン。ここが決め所と踏んだTOJOは即座に距離を詰めると最後は1Rから蓄積させたカーフで3度目のダウンを奪いスリーノックダウン、TOJOが3度のダウンを奪い2R1分39秒TKO勝利を収めた。

第1試合 DEEP☆KICK-46kg契約 2分3R

-牧野天音(FASCINATE FIGHT TEAM)
-辰巳璃央(TeamFreeStyle)
※牧野天音が体調不良により中止となる。

この試合は当初、DEEP☆KICK-46kg契約 2分3Rにて牧野天音(FASCINATE FIGHT TEAM) vs 辰巳璃央(TeamFreeStyle)の1戦が行われる予定だったが、牧野が体調不良によりドクターストップとなり急遽試合中止となった。

NEXT☆LEVEL提供試合

OPイベント、アマチュアファイトでは4戦が開催。中でも-52kg契約 山脇仁汰(PSKムエタイ大阪)と山田大雅(SOLARE KICKBOXING GYM)の1戦ではワンツーで前に踏み込む山田に山脇は前蹴りに膝・ミドルでボディを効かせるとそのまま下がった山田にパンチラッシュをしかけファーストダウンを奪取、続けざまにミドルに膝と再びボディを狙っていくとダメージを見たレフェリーが試合とストップ、山脇が1RTKO勝利を飾った。

オープニングファイト第4試合 -40kg契約 1分30秒2R

〇川上朔(PSKムエタイ大阪)
×加古功之介(NJKFteamBonds)
判定3-0(20-18、20-18、20-18)

オープニングファイト第3試合 -52kg契約 1分30秒2R

〇山脇仁汰(PSKムエタイ大阪)
×山田大雅(SOLARE KICKBOXING GYM)
1R TKO

オープニングファイト第2試合 -25kg契約 1分30秒2R

〇末吉彪(LoTgym)
×三谷海瑠(NJKF健心塾 平野支部)
判定3-0(20-19、20-19、20-19)

オープニングファイト第1試合 -50kg契約 1分2R

〇本山涼雅(BAURO)
×早川未徠(SOLARE KICKBOXING GYM)
判定2-0(20-19、19-19、20-19)

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