■主催:JCKプロモーション啓道館
■公認:MA日本キックボクシング連盟公認大会
■名称:JAPAN CUP KICK 9
■日時:2025年5月4日(日)
■会場:堺市産業振興センター
■住所:大阪府堺市北区長曽根町183-5
記事:三野龍生、写真:大槻彩
5月4日(日)堺市・堺市産業振興センターにおいて『JAPAN CUP KICK 9』が開催された。大会では5階級におけるジュニアのベルトを懸けた戦いで火ぶたを落とすと、続く本戦では激闘の連続で確かに会場を熱狂に包み、そしてセミファイナル・メインイベントで行われたベルト戦では2試合ともに衝撃のKO決着。セミファイナルではTOMOYUKIが飛び膝蹴り一閃でベルトを巻くと、メインイベントでは迫飛河がダウンの応酬からのTKO勝利を見せ興奮冷めやらぬ大盛況のもとに幕を閉じた。新たな才能も続々と発掘されているJAPAN CUP KICK、大会を彩った各試合のリポートをお届けする。
メインイベント ジャパンカップミドル級王座決定戦72kg 3分3R 延長1R
〇迫 飛河(FFT)
×貴之(フリーコー)
3R TKO(レフェリーストップ)
※迫がジャパンカップミドル級王者となる。
メインイベントで行われたのはJAPAN CUP KICKミドル級(-72kg)の王座決定戦、過去にもこのベルトに挑戦するも手にすることが出来ず今回が2度目のJAPAN CUP KICKミドル級王座挑戦となる8戦6勝2敗5KOの迫飛河(FASCINATE FIGHT TEAM)とプロ戦績は傷なしの4戦4勝3KOと確かな勢いと実力でこの王座戦まで辿り着いた貴之(フリーコー)が激突。迫は今年2月に第5代RKSミドル級王者を戴冠したばかりと勢いは上々だろう、ベルト戴冠歴があるという心理も有利に働くか。貴之はプロデビューから負けなし、怖いもの知らずで来ただけにそのままベルト奪取を狙う。互いにKO率は高く1R決着必須の戦いが予想されるが果たして。
1R、ゴングから身長が10cm近く高い迫はリング中央に陣取り圧をかける、対する貴之はリングを周回する形に。すると早くも急展開が訪れる、迫が中に踏み込み互いのパンチが交差する中で貴之のストレートがクリーンヒット、ストンと膝から落ちるように迫が倒れ貴之が1R開始早々のダウン奪取を果たす。迫は何が起こったか分かってない表情、立ち上がるもややダメージが見える。貴之はそこから怒涛の攻めを見せるかと思いきや以外にも冷静、再びリングを周りながら入りどころを探る形となる。ベルトがかかった試合ともあって慎重になっているのか、迫はここでじっくり圧をかけながら右ハイ・前蹴りなど蹴り技を軸に放ちながらダメージ回復を優先していく。1Rはダウン奪取で貴之が優勢に。
続く2R、圧をかける迫とリングを周る貴之という構図は変わらないが互いに手数を増やす。中で貴之は左ボディからフックでヒットを見せるなどボディを中心に狙っていく、迫は左ハイや前蹴りなど蹴り技を中心に攻め近い距離ではストレートから膝と繋ぐ。緊張感溢れる試合展開となってく中、迫が放った後ろ回し蹴りが貴之のボディにクリーンヒット、貴之も表情には出さないもダメージが見えると迫は圧を強めていきそこから左三日月蹴りをクリーンヒット、たちまちに貴之がお腹を抱えながら倒れこみ今度は迫がダウンを奪い返すシーソーゲームに。貴之は苦悶の表情を浮かべるもこれはベルト戦だ、ここで終われるかと気合を入れ立ち上がりリングを周回したところでゴング、2Rは迫がダウンを奪い返しイーブンに持ち返す。
運命の3R、このラウンドで勝負が決まるだけあって会場のボルテージも最高潮を迎えた中、勝負は一撃のもとに幕をおろす。ゴングと同時に打ち合いに向かう両者、気迫と気迫をぶつけ合う中で迫が放った右アッパーが貴之を捉えると最初はすぐに打ち返そうというモーションを見せたがそのまま貴之は崩れ落ちていきそのままダウン、迫がここで2Rに続き2度目のダウンを奪う。後に迫は「(あのアッパーは)本当にスルっと抜けたような感覚で最初は当たったか分からなかった」と語る、恐らくはそのままに貴之の脳を揺らしているのだろう、ダウン後はセコンドからも「立て!ここで終わるな!」と檄が飛びかうが貴之は立つことが出来ず、ダメージを見たレフェリーが試合とを止め3R32秒、互いにダウンを奪い合うメインイベントに相応しい激戦を見事制した迫がJAPAN CUP KICKミドル級王座を戴冠した。
試合後、迫はマイクを握ると「自分の中ではまだまだ情けない試合をしてしまったんですが、これを機に上のステージに挑戦していきたいと思うので、これからも僕の応援よろしくお願いします」と語った。自身2本目のベルトを手に入れた迫、そして彼が語る次のステージは果たしてどこか、ここから繰り広げられるであろう迫の次のストーリーにも期待大だ。
セミファイナル ジャパンカップスーパーミドル級王座決定戦76kg 3分3R 延長1R
〇TOMOYUKI(レジェンド・ドラゴンGYM)
×肉弾子(米子ジム)
2R TKO(レフェリーストップ)
※TOMOYUKIがジャパンカップスーパーミドル級王者となる。
貫録ある戦士同士が相まみえる。セミファイナルでJAPAN CUP KICKスーパーミドル級(-76kg)王座決定戦が行われるとプロ戦績100戦、今回が101戦目という超ベテランファイターであるレジェンド・ドラゴンGYM代表のTOMOYUKI(レジェンド・ドラゴンGYM)と2月「GOLD RUSH XV」でベルト挑戦もメインで登場する迫飛河に判定負け、次こそは王座戴冠と意気込む肉弾子(米子ジム)が登場。TOMOYUKIが42歳、肉弾子が39歳と互いに風格は十二分、重量級の1戦だけあって空気が張り詰める。
果たして1R、TOMOYUKIは落ち着いた表情を浮かべながら圧をかけていくとストレートから膝と繋いでいく。対する肉弾子は左右のフックを軸に左ボディから右フックをヒットさせる。肉弾子は細かいパンチを放つ中で左右のフックに右アッパーをヒットさせるなど部分部分でインパクトのあるパンチを狙っていく。しかし流石はプロ100戦越えのTOMOYUKI、一切動じずに余裕の表情を浮かべながら圧をかけていき、左フックを連続でヒットさせ締めに膝に繋いでいき落ち着いた対応をしていく。互いに重量級なだけに溜めたパンチは脅威、張り詰めた空気の中で1Rは終了する。
続く2R、1Rから膝でボディを狙っていたTOMOYUKIは再び圧をかけると左ボディを度々ヒットさせていく。そこから左フックやアッパー、膝と繋ぎ印象を勝ち取る。肉弾子は左ミドルにカーフと蹴り技を増やす、中でもカーフキックは好印象、TOMOYUKIが嫌な表情を浮かべるシーンも見えた。重量級の1戦だけあって一撃が致命傷となるだけに今か今かという期待が会場から注がれる中、そんな期待を知ってか知らずか試合は一撃のもとに幕を閉じることとなる。TOMOYUKIがパンチ連打で肉弾子をコーナーに追い詰めると、そこからパンチに膝・ボディと散らしていき最後は飛び膝蹴り一閃、これが肉弾子にクリーンヒットするとそのまま肉弾子はコーナーに崩れ落ちTOMOYUKIがインパクト大のダウン奪取。ダメージは明らか、まったく動けない肉弾子を見たレフェリーが即座に試合をストップしTOMOYUKIが一撃TKO勝利でJAPAN CUP KICKスーパーミドル級のベルトを腰に巻いた。
勝利後から客席に何度もアピールしベルトを見せつけたTOMOYUKIはマイクを握ると、「これからも頑張ってジムを盛り上げて、そしてこのMA(マーシャルアーツ)もまだまだ盛り上げていきます、よろしくお願いします」とここでも落ち着いた表情で語った。ジム代表をしながらまだまだ現役で活躍するTOMOYUKI、そんなTOMOYUKIの技術を教え育った子たちがJAPAN CUP KICKの地で暴れまわる将来を楽しみにしたい。
第8試合 ジャパンカップキック55kg 3分3R
〇濱田 海(SB TIA辻道場)
×管東 裕太郎(インフィニティ)
判定3-0(30-28、30-28、30-28)
-55kg契約の1戦では互いにプロ戦績4戦2勝2敗で今回がプロ5戦目という濱田海(SB TIA辻道場)と管東裕太郎(インフィニティキックボクシングジム)が対戦、プロ3勝目を競い合った。試合は1R、SBからの刺客となる濱田は強く圧をかけながらワンツーにボディストレート、ツーフックとアグレッシブに放っていく、菅東はサウスポーから距離を保ちながら前足にロー、そのまま近い距離では左ストレートに膝と返す展開に、ラウンドを通じて菅東もヒットを見せるが濱田の手数と圧に目が行く展開に。
続く2R、互いに前足にローを合わせながらストレートをヒットし合う。中で濱田はフックにストレート、膝を軸に攻めると菅東は左ストレートに膝と互いに似た技でヒットをしあう。菅東の膝は好印象、タイミングもいいが濱田のアグレッシブな攻めの前には印象も薄まってしまう。濱田が圧をかけ菅東が距離を保つように下がるという展開がここでも続いていき2Rは圧をかけながらパンチ・蹴り共にヒットを重ねていった濱田が優勢のラウンドだろう。
3R、濱田はストレートを軸に前蹴り・ロー、近い距離での膝とここでも攻勢を見せる。菅東は左ストレートや膝でなんとか状況を打破したい所だろうがやはり濱田の圧に下がらされるイメージはぬぐえない。アッパーツーをヒットさせるなど菅東は逆転の一手を狙っていくも濱田はこれをシャットアウト。互いにヒットは見えるもやはり濱田のプレスが好印象だ、結果判定は3者共に30-28で濱田が判定勝利、プロ3勝目を飾った。
第7試合 ジャパンカップキック60kg 3分3R
〇津留 純平(FFT)
×大樹(総合格闘技道場 華王州)
判定3-0(29-27、30-27、30-27)
9戦6勝3敗4KOと高いKO率を誇る津留純平(FASCINATE FIGHT TEAM)がプロ2戦目ながらも戦績1戦1勝1KOと続く2勝目を狙う大樹(総合格闘技道場 華王州)と対峙。1R、ジャブにカーフキックで丁寧に展開を作る津留、大樹はアウトローな見た目とは裏腹に丁寧なロー・カーフを放ちながら威力の見えるフックで踏み込む。しかし津留のジャブが要所で光り、大樹は入りにくさを見せる。そこから津留は左フックと左ボディを打ち分けていき共にヒットを生んでいくと、大樹はボディを嫌がるそぶりを見せるなどラウンド後半は津留が攻勢を勝ち取る。すると続く2R、開始早々から大樹の右フックが津留にクリーンヒットし津留がよろけ会場をどよめかせるなど大樹の威力あるパンチによる攻勢も増える。2Rでもジャブにカーフ、左右のフックにボディとヒットは津留が稼いでいくが、大樹がローにパンチでダメージを与える展開となっていく。
3R、ここでも左フックを中心にヒットを稼ぐ津留だが大樹は止まらない。どんどんと前に踏み込んでいき威力抜群の左右のフックを振りかざす。津留がこのままヒットを稼ぐか、大樹が倒すかという展開が続いていき残り1分のコールが響いた直後、津留の左フックで大樹がついにダウンを喫する。しかし大樹はそれでも止まらない、ダメージを見せずに逆転のダウンを狙い左右のフックで放っていくが津留はジャブに左フックを中心にヒットを重ねここで試合終了。ダウンポイントも活き津留が判定勝利、メインイベントで王座挑戦する同門の迫飛河にバトンをつないだ。
第6試合 ジャパンカップキック53kg 3分3R
〇唯斗(TIGER-GYM)
×奥村 真先(サカタボクシングジム)
判定3-0(29-25、29-25、29-25)
アマチュア時代より様々な舞台で賞を獲得し今回が鳴り物入りのプロデビューとなる唯斗(TIGER-GYM)とプロ戦績2戦1勝1敗と勝ち越しを狙う名古屋からの刺客・奥村真先(サカタボクシングジム)の-53kgの1戦。熱い声援を背にプロデビューとなった唯斗は1Rから怒涛の猛攻を見せる、構えを小まめにスイッチしながら鋭く早いパンチ連打をどんどんと奥村に打ち込んでいくと最中でカウンターの左ストレートでファーストダウンを奪う。その後もアッパーを加えながらのパンチ連打に顔面膝蹴り、ボディへの打ち分けなど怒涛の猛攻を見せる唯斗、しかしここで目を見張るのは奥村の根性だ。ヒットを多く許しダウンを獲られるも決して止まらない、ヒットもダメージも明らかに唯斗が上だが奥村は歩を止めずに近距離でパンチを放っていく。続く2Rには再び早々からの打ち合いで始まると右フックからの顔面膝蹴りで唯斗がここでもダウンを奪う。ダメージは明らかの奥村だがそれでも止まらない、常に前に打ち出ていく。唯斗は倒しきりたい所だっただろうが奥村の根性が上回る。2R途中には掴みからの攻撃による累積で唯斗に減点1が与えられるも1・2Rにダウンを奪った唯斗が明らかに優勢。
3R、ここで仕留めるといわんばかりに唯斗はゴング早々からパンチ連打・顔面前蹴り・テンカオと怒涛の攻勢を見せていくが奥村は倒れない、カーフを小まめにヒットさせながら前に前にと押し出る。ラウンド中盤、1Rから圧巻の攻めを見せる唯斗はここで攻め疲れが見える、奥村はここでボディを効かせる場面も見せるが倒し返すには至らず試合終了、判定は3者共に29-25と前評判以上の実力を見せつけた唯斗が判定勝利、鮮烈なプロデビューを飾った。一方、奥村は「ド根性」という言葉が正にピッタリな試合を見せ、負けはしたものの評価は確実に上がったはずだ。互いに次なる1戦が楽しみな両者であった。
第5試合 ジャパンカップキック63kg 3分3R
×K-impact ¥A$U(K-impact )
〇三輪 力斗(真正会大前道場)
1R TKO(レフェリーストップ)
ひと際多くの歓声に包まれながら入場してきた43歳のベテランファイター・K-impact \A$U(K-impact)、ここまで4戦4勝1KOと負けなしを誇る三輪力斗(真正会大前道場)1戦は早々の決着となる。野太い声援を背にガードを固めながら前に打ち出る\A$U、三輪はサウスポーに構えると早速左ストレートをヒットさせる。勢いに乗ってくる三輪、そこから\A$Uはローを放っていくが三輪はパンチからのミドルキックをヒットさせると\A$Uは倒れこみファーストダウンとなる。ダウンではないとアピールする\A$U、しかし更に勢いづいた三輪はそこから膝にハイキック・左ストレートで攻め入ると、続けざまに左ハイキックで2度目のダウン奪取。今度はダメージは甚大、何とか立ち上がり距離を獲りたい\A$Uだが三輪は逃さない、最後はパンチラッシュからの左ストレートをクリーンヒットさせ\A$Uが倒れたところで試合終了、1R1分41秒、早々から3度のダウンを奪った三輪がスリーノックダウンでTKO勝利、無傷の5勝目を勝ち取った。
第4試合 ジャパンカップキック
※中止
第3試合 ジャパンカップキック57kg 3分3R
×曲里 和樹(RKS慎心会館)
〇大谷 斗眞(Remake)
判定0-3(29-30、29-30、28-29)
プロ14戦目となる曲里和樹(RKS慎心会館)と今回がプロ3戦目でプロ初勝利を狙う大谷斗眞(Remake)の-57.5kgの1戦。試合は1Rからジャブにインローを中心に圧をかける曲里と下がりながらもローにストレート・左フックと返す大谷という展開となる。曲里はそこから刺すような前蹴りを放っていくがヒットは少ないか、対する大谷は時折ワンツーで踏み込むなどで攻勢を見せる、中でもローは威力も見え好印象だ。2Rも似た展開が続いていき、曲里はワンツーも組み込みながら圧をかけ続ける、大谷は下がらされる状況の中でもパンチにローと合わせていく。
3R、さらに圧を強めていく曲里、なんとか打ち合いに持ち込みたい所だが大谷は下がりながらも上手く距離を取りつつ1発1発しっかりとストレートにローと返していく。曲里はもっと攻め手を増やしたい所だったがここで試合終了、判定は3者共に大谷を支持、大谷が嬉しいプロ初勝利を飾った。勝利が決まった瞬間から涙をこぼしながらセコンドと抱き合った大谷、初勝利を機にここから連勝を勝ち取っていけるか。
第2試合 ジャパンカップキックセミプロ 57kg 2分2R
×悠希斗(ボコボコ)
〇大部 玄太郎(BLOW GYM)
判定0-3(19-20、19-20、19-20)
セミプロ-57kgでの2分2Rの1戦、開始からローにストレートで攻勢を狙う悠希斗(キックボクシングジム”ボコボコ”)に対し大部玄太郎(BLOW GYM)はジャブを基軸にワンツーでヒットを重ねていく。そこからも大部はジャブを走らせながらどんどんとワンツーをヒットさせる、悠希斗は応戦の中でストレートに左フックなど返しを当てていくがやや大部の攻勢が目立つ。
続く2R、パンチを軸に攻め入る大部に悠希斗は左ミドルや前蹴りなど蹴り技を絡ませながら入り際にパンチのカウンターを狙っていく。しかしやはり大部のジャブ・ストレートに目が行く、後半パンチ一辺倒になり蹴りが出てなかったのはもったいない感じがしたが着実にヒットを重ねていった大部が判定勝利を飾った。
第1試合 ジャパンカップキックセミプロ 53kg 2分2R
〇曽根 大翔(HAKUBI GYM team箔火)
×前田 琉偉(米子ジム)
判定3-0(20-19、20-19、20-19
セミプロ-53kgでの2分2Rの1戦、赤コーナーの曽根大翔(HAKUBI GYM team箔火)は速いローにハイを繰り出しながらイケイケの雰囲気で攻め入る、対す前田琉偉(米子ジム)はこちらも威力の見えるローにストレート・フックのカウンターを当てる。序盤は曽根の攻勢が目立ったが後半は前田が圧を強める。曽根は細かいパンチに多様な蹴りで、前田は蹴り技にカウンターという展開に。
続く2R、前田はさらに圧を強めパンチを増やす、曽根は左ミドルを度々ヒットさせるとそこからはテンカオをどんどんと増やしていく。互いに気持ちが前に出ており組みつく場面も増えるがゴング間際にはパンチでの打ち合いを見せた両者。判定は3者共に20-19で曽根が判定勝利。負けはしたものの前田もしっかり技術に気迫を見せつけ、互いに将来が楽しみに思えるファイター同士の1戦だった。
オープニングファイト第5試合 ジャパンカップキックジュニア40kg王座決定戦 2分2R 延長1R
〇木村 恵人(MA二刃会)
×瀬川 柚子心(小野道場)
判定2-1(20-19、20-19、19-20)
※木村がジャパンカップジュニア40kg王者となる。
ジュニア-40kg王座決定戦では木村恵人(MA二刃会)と今回唯一の女子ファイターとなる瀬川柚子心(小野道場)が対戦。試合は1R、サウスポーに構える木村は左右の蹴りを中心にストレートにフック、瀬川は顔面前蹴りにこちらもストレートと中間距離で互いに蹴りの応酬となる展開が続く。
2R、内回し蹴りや二段蹴りなど多彩な蹴り技を冷静な立ち回りの中繰り出していく木村、瀬川は細かく動きながらワンツーにミドルと狙うなどアグレッシブに動く。中で2Rはやや木村のヒットが目立った印象を受けた、判定は割れるも2-1で木村が判定勝利、緊張感ある蹴り合いとなった試合を制した木村がJAPAN CUP KICKジュニア-40kg王座を戴冠した。
オープニングファイト第4試合 ジャパンカップキックジュニア37.5kg王座決定戦 2分2R 延長1R
〇中橋 道馬(昇龍會)
×中邨 玲王(拳塾)
判定3-0(20-18、20-18、20-18)
※中橋がジャパンカップジュニア37.5k王者となる。
ジュニア-37.5kg王座決定戦では中橋道馬(昇龍會)と中邨玲王(拳塾)が対戦。1R、ミドルや左フックからのストレートを度々ヒットさせていった中橋が流れを握る。中邨はローにミドルと繰り出していくがやや後手に周りがちとなる。そこからワンツーに膝と繋いでいき1R好印象を見せたのは中橋だろう。
続く2R、開始からミドルにフックで前で押し出る中邨、対す中橋は冷静にパンチ・ミドルから膝と対処していく。度々ヒットさせる後ろ回し蹴りも良い、結果は3者共に20-18で中橋が判定勝利。中邨の攻勢を狙いガッツを見せたが中橋が確かな巧さを見せつけた試合となりJAPAN CUP KICKジュニア-37.5kg王者となった。
オープニングファイト第3試合 ジャパンカップキックジュニア35kg王座決定戦 2分2R 延長1R
〇森 響斗(MA楠誠会館)
×麻生 大晴(TAISEGYM)
判定3-0(20-19、20-18、20-18)
※森がジャパンカップジュニア35kg王者となる。
ジュニア-35kg王座決定戦では森響斗(MA楠誠会館)と麻生大晴(タイズジム)が対戦。試合は1Rから森がジャブにミドルでどんどんとプレスをかけていく。麻生は下がらされながらも左フックにローなどこちらもヒットはしっかり当てていく。中で森の合わせのジャブは印象的、そこからワンツーにローと繋げる。麻生も左フックにストレート・ローで印象を見せるがやや下がらされる場面が気になる。
2R、麻生は手数を増やす。ジャンピングパンチにパンチ連打など圧をかける場面も増えていくが森はジャブを走らせながら前蹴りの連打にミドルで距離を支配していく。結果は3者共に森を支持、ジャブ・ミドル・前蹴りの攻勢が光った森がJAPAN CUP KICKジュニア-35kg王者となった。
オープニングファイト第2試合 ジャパンカップキックジュニア30kg王座決定戦 2分2R 延長1R
×RIKUTO(MA二刃会)
〇雄紳(井田ジム)
判定0-3(19-20、19-20、18-20)
※雄紳がジャパンカップジュニア30kg王者となる。
ジュニア-30kg王座決定戦ではRIKUTO(MA二刃会)と雄紳(井田ジム)が対戦。1Rから細かく動きながらジャブにローと繰り出すRIKUTOに雄紳はストレートからの左ハイ、とりわけジャブとストレートのヒットを重ねていく。リーチが僅かに雄紳の方が長いか、速く踏み込んでくるRIKUTOに雄紳がジャブ・ストレートと連続で当てていく印象。
続く2R、雄紳は速いパンチ伝田にカウンターの右フックをヒットさせる。RIKUTOも止まらずにローにストレート、そこからショートのパンチをヒットさせる。雄紳はパンチのヒットに加え時折見せる左ハイキックも魅力的、結果は20-19が2名、20-18が1名で3者共に雄紳を支持し、雄紳がJAPAN CUP KICKジュニア-30kg王座を戴冠した。
オープニングファイト第1試合 ジャパンカップキックジュニア27.5kg王座決定戦 2分2R 延長1R
×凜之介(MA楠誠会館)
〇優清(拳塾)
判定1-2(19-20、19-20、20-19)
※優清がジャパンカップジュニア27.5kg王者となる。
大会の先陣を切るのはジュニア-27.5kg王座決定戦、凜之介(MA楠誠会館)と優清(拳塾)が対戦。試合は1R、サウスポーに構える優清はミドル・ローの蹴り技からパンチ連打に繋ぐと対する凜之介はストレートで踏み込みを見せれば巧みなパンチと蹴りのコンビネーションでこちらも打ち返す。互いにパンチ連打で打ち合うなど好戦的なぶつかり合いとなる。
2Rも止まらずに動き続ける両者。凜之介がフックツーにストレートとヒットさせれば、優清は前蹴りに左ミドルを度々ヒットさせていく。互いに差はないもののアグレッシブに動くのは凜之介、蹴りを中心に相手を打ち終わりに蹴りを合わせているのは優清といったところか。試合の判定は割れるも1-2で優清が激戦となった今試合で判定勝利を収め、JAPAN CUP KICKジュニア-27.5kgのベルトを戴冠した。