2024年4月7日DEEP☆KICK ZERO 13レポート

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■主催:DEEP☆KICK実行委員会
■名称:DEEP☆KICK ZERO 13
■日時:2024年4月7日(日)
■会場:176box
■住所:大阪府豊中市庄内東町5丁目7-25

写真提供:石本文子、レポート提供:布施鋼治

TETSUvs古宮晴のK-1ファイター同士の-63㎏挑戦者決定トーナメント決勝、関西キックの新興勢力同士の闘いとなったFASCINATE FIGHT TEAMの津留純平とTEAM TEPPENのGUMPの間で争われた-60㎏挑戦者決定トーナメント準決勝など好勝負が続いた『DEEP☆KICK ZERO 13』(4月7日・大阪豊中市176BOX)。その試合リポートをお届けする。

メインイベント DEEP☆KICK-63kg挑戦者決定トーナメント決勝 3分3R 延長1R

×TETSU(月心会チーム侍)
◯古宮晴(昇龍會)
判定0-2(29-30、29-29、28-30)
※古宮晴がタイトルマッチ挑戦権を獲得する。

一秒たりともこう着なく激しくやり合った友人対決は古宮晴(昇龍會)に軍配。DEEP☆KICK ZERO 13で組まれたDEEP☆KICK-63kg挑戦者決定トーナメント決勝は メインイベントに相応しい激闘となった。
TETSU(月心会チーム侍)と古宮はともにK-1を主戦場にするファイターで、準決勝ではそれぞれ他団体の選手を破って勝ち上がってきた。昨年12月開催のDEEP☆KICK-51kg第3代王座決定戦でKING陸斗(ROYAL KINGS)を破った安尾瑠輝(K-1ジム心斎橋チームレパード)ではないが、最近DEEP☆KICKではK-1勢の活躍が目立つ。
所属こそ違えど子供の頃からの友人同士ということもあり、「その関係が実際のファイトに響くのでは?」という声もあったが、全ては杞憂に終わった。1R開始直前、両者は軽くハグすると、そのあとはそれまでの人間関係を断ち切るかのように激しくやり合う。
TETSUが左フックで攻め込もうとすると古宮はカウンターのヒザ蹴り、反対に古宮のミドルに合わせTETSUは一歩踏み込んでフックを合わせようとするなどお互い対策も万全のように見受けられた。
そうした中、古宮が試合の流れを掴みかけたが、ラウンド終了間際テツは左フックを口火に連打を畳みかけ、決定的な印象点を与えない。続く2Rになると、蹴り(古宮)vsパンチ(TETSU)という対立図式が鮮明がなる。古宮が右ローをコツコツと当てていけば、TETSUはそれをカット、あるいはカウンターを合わせ一歩も引かない。
それでも、試合の流れは再び古宮に傾き始める。終盤、古宮が左ボディフックが決まると、TETSUの足が一瞬止まる場面もあった。
2Rまでのオープンスコアは20-20、20-19(古宮)、19-20(TETSU)と三者三様の全くのイーブン。こうなると、お互いもう行くしかない。3Rが始まると、TETSUは右ローに活路を見出す。古宮は明らかに効いている素振りを見せる。このままTETSUが押し切るかと思われたが、古宮は逆にローを効かせ返す。そしてとどめは左テンカオとボディフックの連打でTETSUを後退させ、ダウン寸前まで追い込んだ。この攻防が勝負のキーポイントとなったか。ジャッジのスコアは30-29、30-28、29-29と2-0で古宮を支持した。
試合後、マイクを握った古宮は「勝って(挑戦者決定トーナメントで)優勝できてうれしい」と安堵の表情を浮かべたが、6月2日に王者・足利也真登(FightClubRush.)に挑戦する話になると、「正直、相手にならない。僕が圧倒して勝ってベルトを巻きます」と戴冠を宣言した。
リングには観戦に訪れていた足利も登場。挑戦権を得た古宮に「どこか痛めたところはない?」と突っ込む。続けて「いま何歳?」と水を向け、古宮が20歳と判明すると、足利は「僕はこの間38歳になったばかり。オッサンvs若造のバチバチのド突き合いに期待してください」と締めくくった。

セミファイナル DEEP☆KICK-60kg挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R

×津留純平(FASCINATE FIGHT TEAM)
◯GUMP(TEAM TEPPEN)
判定0-3(28-30、27-30、28-30)
※GUMPがトーナメント決勝に進出する。

メインに匹敵するほど、セミファイナルで組まれた津留純平(FASCINATE FIGHT TEAM)とGUMP(TEAM TEPPEN)によるDEEP☆KICK-60kg挑戦者決定トーナメント準決勝も熱戦となった。現在ランキングでは4位の津留は原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)が主宰するFFT期待の星。地元関西では一度も負けていない。
対する5位のGUMPもTEAM TEPPENへの移籍後階級を上げ3連勝と波に乗る。今年2月にはDEEP☆KICKで韓国人ファイターとの国際戦が組まれていたが、対戦相手のケガで中止に。その直後スクランブル発進で出場した札幌のBOUTでは地元期待の愛翔(Kickboxing Academy Sapporo)から判定勝利を収め、津留との一戦に挑んだ。セコンドにはTEPPENの那須川代表、岡本祐爾トレーナー、さらには白鳥大珠(TEAM TEPPEN)、那須川龍心(TEAM TEPPEN)の顔も見える。
そんな周囲の期待を背に、GUMPはミドル、ストレートなど右の攻撃で主導権を握り、先手先手で攻めていく。2分すぎには津留をコーナーに詰め、パンチの連打を浴びせ試合の流れをさらにたぐり寄せる。
2Rになっても、試合の流れは変わらない。一発のある津留のパンチをガードするや、接近戦からの離れ際に右を打ち込んだり、相手のガードが空いているところをタイムリーに攻め込むなど、徹底して津留対策をしてきた努力が随所に見られた。
2Rまでのオープンスコアは三者ともGUMP。3Rになると、あとがない津留はワンツーを軸に猛然と反撃を試みるが、GUMPは冷静に対処。逆にテンカオでやり返し、津留のアタックを断ち切った。
挑戦者決定トーナメント決勝を争う上野コウキはこの一戦をリングサイドで観戦していたが、試合後リングイン。マイクを握るや、「(GUMPは)うまかったけど、俺に勝てるレベルではない」と斬り捨てた。
対照的にGUMPは一人漫才をするかのように「(この一戦の)ダメージは?→ノーダメージ」と自問自答して観客席を湧かす。客の反応がいまひとつだと、「いまのは大ダメージ」とボケることも忘れなかった。
そして実はデビュー3戦目で上野と初めて拳を交わし敗れていたことを明かす。「でもTEPPENに移籍してからの僕は連勝中。まわりには心強い仲間や先輩もいる。あのときとは違う自分を見せたい」とリベンジを誓っていた。

第8試合 DEEP☆KICK-51kg契約 3分3R

◯KING陸斗(ROYAL KINGS)
×一樹(Reborn kickboxing gym)
判定3-0(30-27、30-27、30-27)

昨年12月、王座決定戦で敗れるとともにプロ6戦目にして初黒星を喫したKING陸斗(ROYAL KINGS)が再起戦に臨んだ。青コーナーからの登場は一樹(Reborn kickboxing gym)。元MAフライ級王者で、16歳の陸斗に対して35歳の倍以上の年齢のベテランだ。
そんなキャリアに勝る相手に対して陸斗はスピードと手数で勝負をかける。1R開始早々ストレート、ストレート、ミドルハイと左の攻撃を畳みかける。
なかなか自分のリズムを掴みきれない一樹だったが、2分すぎには右ストレートをヒットさせるなど試合の流れを陸斗に渡さない。
しかし、一発程度では陸斗の勢いを止められない。2R、飛びヒザ蹴りだけではなく、ブラジリアンキックを見せるなど、陸斗は元気一杯。ダウンとは見なされなかったが、右フックでフラッシュダウンを奪う場面もあった。
もっとも、一樹にも元王者としての意地がある。3Rには右のテンカオをボディに叩き込み、陸斗に一瞬苦悶の表情を浮かべさせたが、それ以上決定的な攻撃は許さず試合終了のゴングを聞いた。ジャッジは三者とも30-27で陸斗を支持した。
試合後、マイクを持った陸斗は「この間の12月のタイトルマッチで負けてしまい、無敗でタイトルを獲ることはできなかった。今年全勝で必ず(王者の)安尾瑠輝選手を倒すので僕に注目して」とアピールした。

第7試合 DEEP☆KICK-57.5kg契約 3分3R

×岩KING(NJKF心将塾)
〇啓斗(ALL-WIN GYM)
1R TKO(レフェリーストップ)

毎回、入場時には派手なダンスで会場を湧かす岩KING(NJKF心将塾)。期待に違わず今回も期待以上のパフォーマンスで会場を盛り上げた。その勢いで1R開始早々、右のローやストレートで啓斗(ALL-WIN GYM)を攻め込むが、岩KINGタイムはここまで。啓斗は痛烈なボディフックで反撃を開始すると、そのままパンチの連打で圧倒。最後は左ストレートでアゴを打ち抜き、岩KINGをキャンパスに這わせた。K-1ファイターの啓斗はこれがDEEP☆KICKデビュー戦だったが、強烈なインパクトを残した。
KING龍蔵を頂きとする、-57.5㎏戦線に割って入るか。

第6試合 DEEP☆KICK-70kg契約 3分3R

◯KING弥百希(ROYAL KINGS)
×ブラックベア悠鬼神(NJKF心将塾)
判定3-0(30-28、30-27、30-28)

関西キック界で猛威を奮うROYAL KINGSからまたひとり新星が飛び出した。この日プロデビューを迎えたKING弥百希(ROYAL KINGS)だ。キックボクサーらしからぬマッチョなボディでリングインしたときから目立っていたが、試合開始のゴングが鳴ると、パワフルなワンツーでプロ初白星を狙うブラックベア悠鬼神(NJKF心将塾)を追い込む。
課題はディフェンス。悠鬼神がインローを連打するとスリップダウンを喫する場面もあったが、その弱点を克服できれば十分に-70㎏戦線をかき回す存在になるだろう。

第1試合~第5試合 NEXT☆LEVEL提供試合

昼間の部に続き、午後の部でもTOP☆RUN関西ジュニアの王座決定戦が3試合組まれた。その中で目立った動きを見せたのは、北川大翔(ROYAL KINGS)を破って-35㎏王者となった三宅湊士(Determination)。Determination(デターミネーション)キックボクシングジムの代表で元NJKF王者の階勇弥から学んだムエタイ殺法は魅力十分。このまま成長していってほしいものだ。

第5試合 TOP☆RUN関西ジュニア-55kg王座決定戦 1分30秒3R 延長1R

×高橋澪斗(ROYAL KINGS)
◯亀田十羽(TeamFIST)
判定0-3(28-29、29-30、28-29)
※亀田十羽がTOP☆RUN関西ジュニア-55kg第23代新王者となる。

第4試合 TOP☆RUN関西ジュニア-45kg王座決定戦 1分30秒3R 延長1R

×杉本一士(SMOKER GYM)
◯松岡空海樹(月心会チーム侍)
判定0-3(28-30、28-30、28-30)
※松岡空海樹がTOP☆RUN関西ジュニア-45kg第23代新王者となる。

第3試合 TOP☆RUN関西ジュニア-35kg王座決定戦 1分30秒3R 延長1R

◯三宅湊士(Determination)
×北川大翔(ROYAL KINGS)
判定3-0(30-28、30-27、30-28)
※三宅湊士がTOP☆RUN関西ジュニア-35kg第25代新王者となる。

第2試合 NEXT☆LEVEL提供試合 -53kg契約 1分30秒2R

×林功太郎(山口道場)
◯勝部晴大(VALIENTE)
判定0-3(19-20、19-20、19-20)

第1試合 NEXT☆LEVEL提供試合 -24kg契約 1分30秒2R

◯新城勝義(SMOKER GYM)
×小中葵央(TeamFIST)
判定3-0(20-19、20-19、20-19)

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